【新型コロナ】鎌倉市、海水浴場開設断念を発表 市長「住民の理解得るのは難しい」

臨時会見で今夏の海水浴場開設を断念したことを発表する松尾崇市長=26日、鎌倉市役所

 鎌倉市の松尾崇市長は26日、臨時会見を開き、昨夏に続いて今夏も海水浴場開設を断念すると発表した。

 市長は「新型コロナまん延が収まらず、海水浴場開設による感染拡大のリスクが懸念され、近隣住民の不安を払拭(ふっしょく)し理解を得ることが難しい」と理由を説明。来訪を控えるよう呼び掛けつつ、ライフガードや警備員などを配置してビーチの安全対策を講じるとした。

 市は4月末に海岸近くの11自治会で意見を聞き取ったほか、5月19~23日にLINE(ライン)で市民約千人から開設可否の調査に回答を得たところ、多くの反対の声が寄せられたという。

 松尾市長は「駅から海水浴場までの道に住宅地が密集している中で、住民から感染への不安や海水浴客のマナーの悪さなどへの疑問の声が多く上がっている。地域の不安を解消しなければ難しい」と判断に至った経緯について語った。

 昨夏は海水浴客らの集中を避けるために湘南地域では歩調を合わせて開設中止を判断した経緯があるが、市長は「まん延防止等重点措置の適用もある中、首長同士で随時状況の共有や意見交換してきた。足並みをそろえたい気持ちはあったが、最終的に鎌倉特有の状況や判断を尊重してもらった」と述べた。

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