風で飛ぶ毒針に注意! チャドクガ大量発生 長崎「六地蔵前」バス停そば 元県生物学会長・池崎さん

サザンカの枝先に密集したチャドクガの幼虫を指し示す池崎さん=長崎市赤迫2丁目

 触らなくても気を付けて―。長崎市若竹町の元県生物学会会長、池崎善博さん(82)は、毒針毛を持つチャドクガの幼虫が市内のバス停近くで大量発生しているのを発見した。毛は風で抜けて舞いやすく、肌に刺さると赤い湿疹や強いかゆみが現れる。池崎さんは県内各地でも発生している恐れがあるとして、注意を呼び掛けている。
 チャドクガはチャやツバキ、サザンカの葉に卵を産み付け、幼虫は葉を食べる。幼虫の体長は2.5センチほど。梅雨ごろと秋ごろの年2回発生する。体の表面を覆う長い体毛とは別に、0.1ミリほどの毒針毛が数十万本生えている。肌に付いた毒針毛をこすると、かえって深く刺さるため病院での受診が必要という。

市民がバスを待つ「六地蔵前」停留所近くで、歩道沿いのサザンカに大量発生しているチャドクガの幼虫(右)=長崎市赤迫2丁目

 池崎さんが幼虫を見つけたのは、同市赤迫2丁目の「六地蔵前」バス停付近。歩道とJR線路の間に植えられたサザンカの葉が、大量に食われているのに気づき、幹や枝先に数十匹から数百匹単位で密集するチャドクガの幼虫を発見した。範囲は数十メートルにわたる。
 この土地を管理するJR九州長崎支社によると4~5月に防虫剤を散布。それでも幼虫が発生したことを受け今後、伐採や駆除を実施するという。
 成虫も触れると湿疹などを引き起こすとして、池崎さんは「半袖などを着て肌の露出が増える時期。首筋や顔にも注意して」と話している。


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