オリックスに2勝1敗 セ・リーグ最下位のDeNAが交流戦開幕カードで勝ち越せた理由

DeNA・三浦大輔監督【写真:小谷真弥】

敵将オリ中嶋監督「明日はソトもオースティンもいない」

■DeNA 11ー8 オリックス(27日・横浜)

セ・リーグ最下位を低迷するDeNAが、本拠地・横浜スタジアムで行われた今季交流戦開幕カードでオリックスに2勝1敗と勝ち越した。ネフタリ・ソト内野手&タイラー・オースティン外野手の外国人パワー、そして“地の利”を存分に生かした結果だった。

敵将のオリックス・中嶋聡監督は、もう懲り懲りといった口調でこう語った。「(今季のDeNA戦は)もう終わったので、いつまでも引きずっていられない。明日はソトが打席に立つわけじゃないし、オースティンがいるわけでもない。切り替えてやります」。

ソトはこの3連戦で5安打(12打数)を放ち、そのうち4本が本塁打。27日の3戦目には、1回に相手先発・張奕のカットボールを、6回には3番手・漆原の150キロ速球をとらえ、いずれも左翼席へ放り込んだ。三浦大輔監督は「1本目は変化球、2本目はストレートを遅れずにとらえた。状態は上がってきている」と目を細めた。ソト本人もお立ち台で「イツモオーエン、アリガトーゴザイマス」、「(2発目の感触は)チョースゴイ!」と来日4年目で流暢になった日本語を駆使し上機嫌だった。

オースティンもこの3連戦で12打数7安打。2戦目に19歳左腕・宮城からバックスクリーン左へ打ち込んだ特大の7号2ランは衝撃的だった。3戦目の8回には、やや左中間寄りの中前への当たりで迷わず一塁を蹴り、二塁を陥れた。助っ人の抜け目のなさ、次の塁を狙う意欲はチーム全体を鼓舞した。

DeNA三浦監督「勝ち越せたのは良かった、次に繋げていくだけ」

両外国人は今季、コロナ禍で来日が遅れた。2週間の隔離期間を終えると、最下位を潜行していたチーム事情もあって2軍戦で調整することもなく4月13日に“ぶっつけ”でそろって1軍登録。5月に入るとグングン調子を上げ、ソトは今季トータルで打率.250、9本塁打25打点。オースティンは打率.333、7本塁打18打点をマークしている(27日現在)。

やはりDeNA打線はこの2人がいないと始まらない。三浦監督は「普通のシーズンインと違い、キャンプもなしで合流してもらったが、ここに来て本来の打撃になってきたと感じています」と最敬礼だ。

一方、パ・リーグの本拠地球場にはない両翼94メートル・中堅118メートルという“スモールサイズ”の横浜スタジアムは、相手投手の恐怖心を倍化させたようだ。オリックス・中嶋監督は3戦目の試合後、「それはもう3試合目で分かっているはず。その上で何をどこへ投げるのかが全く見えなかった」と自軍の先発投手・張奕に苦言を呈したが、3試合で11発もの本塁打を浴びたのは誤算だった。

「勝ち越せたのは良かった。これを次へ繋げていくだけ」と三浦監督。上々の交流戦スタートとなっただけに、28日から楽天生命パーク宮城で行われる対楽天3連戦をはじめ、敵地での戦い方で真価を問われる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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