日本ボクシングコミッション(JBC)は28日夜、WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=Ambition)への「お詫び」と題する文書を公式ホームページに掲載した。
昨年大みそかに行われた田中恒成(25=畑中)とのタイトルマッチでは、ずさんなドーピング検査が行われ、さらに情報が流出したことで名誉を著しく傷つけたことを謝罪している。
27日付けで、永田有平理事長の名で掲載された「お詫び」の全文は以下の通り。
「JBCは、2020年12月31日に開催された井岡一翔選手対田中恒成選手のWBOスーパー・フライ級世界タイトルマッチにおいて、ずさんなドーピング検査を行い、この間違った検査に基づく情報が意図せず流出してしまいました。このことにより、井岡一翔選手があたかも禁止薬物を摂取しているかのような報道がなされ、類い稀なるボクサーとしての名誉が著しく傷つく結果となり、かつ、ご家族及び関係者の皆様には多大なご心労をおかけし、大変申し訳なくお詫び申し上げます。
また、対戦相手の田中恒成選手と関係者の皆様、そしてボクシングファンの皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことについてもお詫び申し上げます。
JBCといたしましては、井岡一翔選手にドーピングの事実は認められなかったとの倫理委員会の答申書の結果を、直ちにWBOへ連絡し、WBOの承認をいただきました。
また、答申書において、ドーピング検体の保存方法、ドーピング検査体制、選手の権利保障、倫理委員会の構成、情報提供のあり方、情報管理について多くのご提言をいただいております。JBCはこれらのご提言を真摯に受け止め、今回のようなことを二度と繰り返さぬよう、JBCにおけるドーピング検査体制、情報管理などを早急に改善いたします。
JBCは、スポーツマンシップに基づきフェアに真剣勝負を行っている選手を守り、公正な試合運営を守っていく組織であり続けたいと考えております。この考えに反するような今回の一連の行動につきましては心より反省し、今後改革して参ります。
皆様におかれましては、JBCの今後を見守り、倍旧のご支援とご理解を賜りますよう、お詫び旁々お願い申し上げます。
一般財団法人日本ボクシングコミッション
理事長 永田有平」
JBCの倫理委員会が「違反は認められなかった」と発表した19日に会見した一翔は「絶対に許せない。謝罪だけというのは納得できない」と話していた。
また田中が所属する畑中ジムの畑中清詞会長(54)も20日に「我々が納得いく説明があるかどうかによって謝罪を受け入れるか考えたい」とのコメントを発表。両陣営はこの「お詫び」にどう反応するのか。