パイレーツ一塁手 前日の不可解な守備は「混乱してしまった」

メジャーリーガーとはいえ、誰にでもミスをする可能性があるのが野球というスポーツだが、パイレーツの一塁手ウィル・クレイグが日本時間5月28日のカブス戦で犯したミスは、メジャーリーグで今季最大の失敗となるだろう。クレイグは一塁ベースを踏めばイニング終了になるにもかかわらず、本塁方向へ逆走した打者走者を追いかけ、最終的には相手チームに得点を許してしまったのだ。その不可解な守備から一夜明け、クレイグは前日のプレーについて口を開いた。

クレイグは「そうですね。ボールを放った瞬間に『ああ、自分は何をしているんだ?』と思いました。あんなことをするべきではなかったとわかっています」とコメント。「(一塁手が一塁ベースを踏むのは)野球の基本のようなプレーです。でも、(打者走者のハビアー・バイエズが)逆走していくのを見て、一瞬混乱してしまいました。(捕手の)マイケル・ペレスが僕を見ていたのに気付いてボールを放ってしまいました」と前日のプレーについて説明した。

パイレーツのデレク・シェルトン監督は自軍の選手たちによる「珍プレー」を映像で1度だけ見たという。「全体の動きを確認するために1度だけ見た。これは我々の失敗だ。でも、我々は前に進む。こんなプレーが2度と起こらないということを保証するよ。この失敗は過去に置いていく。今日は新しい日だからね」とシェルトン。一方、張本人のクレイグは「見ないようにしていましたが、あちこちで映像が流れているので、見ないようにするのは大変でした」と話している。

世界中で話題になるほどの大失態を犯したクレイグだが、パイレーツがクレイグの守備力を高く評価している点は変わらない。クレイグは三塁手としてマイナーでのキャリアをスタートしたものの、一塁手に転向。猛練習を積み、2019年にはマイナーのゴールドグラブ賞を受賞した。今回の失敗を糧にして、クレイグはよりハイレベルな守備力を持つ一塁手へと成長していくのではないだろうか。

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