水に恵まれた神奈川県清川村の村民有志が、再生可能エネルギーを生みだす小型水力発電施設「小水力発電」の設置に向けた検討に乗りだした。
宮ケ瀬湖の大半を抱える同村は、ダムの固定資産税に当たる国有資産等所在市町村交付金が村財源の多くを占めるものの、交付額は毎年減少。長期的に依存するのは難しいとの見通しを踏まえ、「小水力発電による売電収入を村の活性化に結びつけたい」と構想を練っている。
取り組みを進めているのは元同村議で商店経営の村上俊光さん(62)=同村煤ケ谷=と、現職村議の笹原和織さん(58)=同=ら。4月に村内で小水力発電に関する勉強会を開いたところ、村内外から約20人が参加した。
村上さんらが手本とするのが、埼玉県秩父市内を流れる荒川の支流に小水力発電施設を設置し、5月に本格運転を始めた「陽野(ひの)ふるさと電力」だ。2人は現地を訪れ、支流の寺沢川に設置された発電施設を見学。「同じような沢は清川村にもある。施設も思ったほど大掛かりではなく、清川村でも実現できそうだ」との感触を得た。