平塚市のごみ戸別収集本格化 高齢者の負担軽減、全域拡大へ

各戸建て住宅の前に出されたごみを収集する職員=平塚市夕陽ケ丘(同市提供)

 神奈川県平塚市は2021年度から、一部の地域で可燃ごみの戸別収集を本格的に始めた。今後は民間業者と連携しながら市全域に拡大する方針で、高齢者のごみ出しの負担軽減や家庭から出るごみの減量につなげたい考えだ。

 対象地域は、19年10月から今年3月末まで社会実験を行った同市夕陽ケ丘、立野町、大神地区の一部約1700世帯。社会実験では、ごみ収集車が通れない狭い道路が多い住宅街での収集や、鳥によるごみの散乱などの課題が挙がり、軽トラックの使用や鳥除けネットの無償提供などで対応している。

 戸別収集は職員の負担が大きく、対象地域を拡大するには職員を増やす必要があるという。市の試算では、市全域に拡大した場合、人員は1.3倍、車両台数は1.4倍になるといい、地域ごとに民間委託するなどして拡大を進める。

 市によると、県内では藤沢市や大和市などが戸別収集を実施しているという。ごみを集積所まで運ぶ手間が省け、集積所を管理する自治会の負担軽減になるほか、ごみの分別や減量への意識が高まると期待されている。

 市が昨年5月に実施したアンケート調査では、有効な回答を得られた765件の8割が継続を希望したという。市収集業務課は「多くの市民に満足していただいたので、民間の活力を活用しながら対象地域を拡大していきたい」としている。

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