田嶋会長が強調する〝禁断カード〟「日本代表VS五輪チーム」のメリット

オンラインで取材に応じる田嶋会長

日本代表とU―24日本代表による〝禁断のカード〟が波紋を呼びそうだ。

日本サッカー協会は1日、国際親善試合ジャマイカ戦(3日、札幌ドーム)の中止を発表し、代替試合としてU―24日本代表とのチャリティーマッチ開催が決定した。

森保一監督(52)は以前から実現に向けて前向きだったように、これまで何度も代表同士による〝ドリームマッチ〟が検討されてきたが、なかなか実現しなかった。理由はマッチメークのタイミングもあるが、日本の最高峰であるA代表が〝格下〟の世代別代表に、万が一負けてしまった場合の各方面への影響に対する懸念もあったからだ。

オンラインで取材に応じた田嶋幸三会長(63)は「こういう試合は往々にして、代表のほうがプレッシャーがかかるものだと思っている。実際、Jリーグのクラブでも二軍戦はあまりやらない。タブー視されている」と今回のカードが禁断のマッチメークと認めている。

そのうえで「これは監督が兼務でよかったことがある。それですぐに対応できた。もちろんこれには勝ち負けがあるが、トレーニングマッチでは下が勝つことも多い。モチベーションもあるので。今回はオーバーエージが入った五輪チームと、W杯アジア2次予選があり最終予選やW杯へ向けて自分のポジションをしっかり固めたい(A代表の)選手で良い試合。どっちが勝った負けたというより、お互いにとってプラスになるから森保監督は決めてくれた」と両チームの監督を兼任していることにより勝敗に関する責任が問われず、純粋に強化を図れるメリットを強調した。

それでも、A代表が敗れれば大きな反響が出るのは間違いない。U―24日本代表のDF橋岡大樹(22=シントトロイデン)は「A代表の選手と試合をすると聞いて、まず絶対に負けたくない気持ちが強かった」、MF遠藤渓太(23=ウニオンベルリン)も「相手がA代表の素晴らしい方々というのはあるが、自分たちの力を最大限に見せたい」とさっそく〝下剋上〟へ目をギラつかせている。

A代表は勝って面目を保ちたいところだが…。禁断の試合がどのような結末を迎えるのか注目が集まる。

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