【新型コロナ】神奈川「まん延防止」協力金、支給は7月以降 算出方法が複雑化

神奈川県庁

 新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が1日から20日までの再延長期間に入った。営業時間の短縮や酒類提供の終日停止が要請される飲食店は苦境が続くが、重点措置期間を対象にした協力金の支給は早くて7月中旬の見通し。額の算出方法が複雑になったためだが、協力金は感染拡大防止に協力する事業者の「命綱」(関係者)として、迅速な支給を求める声が上がっている。

 神奈川県は4月20日から始まった重点措置の期間中、対象区域の飲食店に対して午後8時までの時短や酒類提供の終日停止を要請。協力した店舗には事業規模や売上高に応じて、1日20万円を上限に協力金を支給する。

 ただ、4月20日からを対象期間とする協力金の申請受け付けは6月末からを予定。審査期間を経て、支給は早くて7月中旬からになるという。協力金がこれまでの一律から事業者ごとに個別に算出する仕組みに変更となったため、新たなシステムの構築に時間がかかっている。

 県によると、昨年春の緊急事態宣言期間を対象にした第1弾、第2弾の協力金は支給を完了したが、第3弾以降は今も支給作業が続く。外部業者に委託しているものの、「書類上の見落としもある」(県)といい、業者が審査した書類を県職員があらためて確認。県は職員を170人規模に増員したが、スムーズな支給には至っていない。

 5月31日の県議会産業労働常任委員会では、委員から「支給の遅滞により事業継続が困難になる業者もいる」と迅速な支給を求める声が相次いだ。現状では95%程度の飲食店が時短要請に応じているというが、「支給が遅いため、背に腹は代えられずに要請に応じない店が出てくる」との指摘もあった。

 県側は「規模別、売上高方式になるとさらに複雑な審査が必要になる。今まで通りのやり方だと支給がものすごく遅くなる可能性があり、問題意識を持って対応していきたい」としている。

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