新聞紙紙袋 コンビニで“活躍” 諫早の老人ホームで手作り 無償提供

紙袋を作る利用者ら=諫早市長田町、清和福祉会ゆたか荘 みらいホーム

 長崎県諫早市長田町の住宅型有料老人ホーム「清和福祉会ゆたか荘 みらいホーム」(中川浩司代表)の利用者らが、新聞紙を使った紙袋作りに取り組んでいる。紙袋は、近所のコンビニに無償提供し「客の評判もいい」と喜ばれている。
 認知症などの症状がある利用者らのリハビリを目的に、3月に製作を始めた。半分に折った新聞紙を縦17センチ、横24センチ、幅8センチの袋状に貼り合わせ、取っ手はホチキスで留めた上で接合部をチラシで補強した。
 出来上がった紙袋は近くの「ローソン諫早長田町店」に買い物袋として無償提供。店頭に置いて、客が自由に使えるようにしたところ、ほぼ2日で40枚がなくなったという。それからはほぼ毎日約20人で約60枚を製作し提供を続けている。
 同店のオーナー、松本尚武さん(76)は「おにぎりなど買った物を入れるのにちょうど良いと、客からの評判も上々。紙袋が会話のきっかけになり、笑顔になってもらえるのもいい」と話した。
 施設の利用者らは生き生きと率先して「仕事」を楽しむようになったといい、「認知症のお年寄りでも社会に役立てることがあると実証し、認知症のイメージを明るいものに変えていきたい。高齢者が展開するエコ活動として、他の施設などにも広がれば」と期待を寄せている。

新聞紙で作った袋で商品を受け取る買い物客(左)=諫早市、ローソン諫早長田町店

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