母親からは「和田毅になれ」 DeNA、福岡出身左腕・坂本が鷹相手に6回無失点の快投

DeNA・坂本裕哉【写真:荒川祐史】

小学校低学年の頃はサッカーに興味も…

■DeNA 4ー3 ソフトバンク(3日・横浜)

DeNAの坂本裕哉投手が3日、本拠地・横浜スタジアムでソフトバンク戦に先発し、6回5安打無失点の快投。降板後に救援投手が打たれ今季2勝目こそ逃したが、福岡出身の左腕が地元球団との初対戦で成長の跡を見せた。このまま先発ローテに定着し、セ・リーグ最下位に低迷するDeNAの救世主となるか。

柳田に対しても臆することはなかった。いきなり1回1死一、三塁の先制機で強打者を迎えたが、カウント1-1から内角低めのチェンジアップを打たせて三飛。犠飛すら許さなかった。続く中村晃も二ゴロに打ち取り、先制点を与えなかったことで、チームに流れを呼び込んだ。その裏にはオースティンの先制3ランが飛び出した。

3回2死一塁での柳田の第2打席も、同じく内角低めのチェンジアップを振らせ、三振に仕留めた。自己最長の6回を投げ終えた時点で、球数は89。余力もあったが、三浦大輔監督は「我慢強く投げていたが、調子自体は絶好調ではなく、ストライクとボールがはっきりしていた」と見て、7回にエスコバーへスイッチ。そのエスコバーが松田に同点3ランを被弾したのは誤算だったが、DeNAは8回の攻撃で大和が勝ち越し二塁打を放ち、4-3で勝利をものにした。

母親はソフトバンク和田のファン「鏡の前で真似をさせらました」

坂本は立命大から2019年ドラフト2位で入団し、ルーキーイヤーの昨季は4勝(1敗)を挙げたが、防御率は5.67。今季は5試合目の先発で防御率を4.60から3.32へ劇的に下げた。真価を問われるのは次回先発以降だろう。

ソフトバンクの本拠地である福岡県出身。小学校低学年の頃はサッカーへの興味が強かったが、とりわけ和田毅投手のファンの母親から野球を勧められたという。「『和田みたいに投げろ』とか『和田になれ』と言われて、鏡の前で真似をさせらました」と笑う。

もっとも、同じ左腕とはいえ、現在の坂本の投球フォームは「球の出どころが非常に見にくい」といわれる和田にはあまり似ていない。むしろ、立命大の2年先輩でDeNAでも同僚になった東の影響が色濃いように見える。

いずれにせよ、坂本が野球にのめり込むきっかけが和田であったことに変わりはない。日米通算146勝の和田は40歳になった今季も、先発ローテの一員として稼働中。坂本としては自身も先発ローテに定着し、和田が元気なうちに直接対決を果たしたいところだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

© 株式会社Creative2