【東京五輪】「選手や一般の人を危険にさらす可能性が…」米国の公衆衛生の専門家らが警告

東京五輪は強行開催の道を進むことに…

開催ありきで進む東京五輪・パラリンピックの準備に対して、米放送局「CNN」が疑問を投げかけている。

東京五輪・パラリンピック組織委員会は2日、大会運営を支えるボランティア約8万人のうち、約1万人が辞退したと発表。同局は「辞退理由が明らかにされなかったが、新型コロナウイルスと関係がありそうだ。世論調査によると、日本の多くの国民は大会の開催に反対しており、病院はコロナの第4波でひっ迫しているため、多くの人々は依然としてワクチン接種を受けられていない」と分析した。

東京五輪の開幕まで残り50日を切った一方で、依然として新型コロナウイルスが終息するメドは立っていない。そのため、同局によると、米国の公衆衛生の専門家グループも危機感を示しているという。同グループは、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに「五輪を開催するという国際オリンピック委員会(IOC)の決意は、科学的根拠に基づいていない」との文章を掲載した上で「五輪を予定通りに開催すれば、選手や一般の人を危険にさらす可能性がある。政府や大会組織委員会はリスク管理に対するアプローチを再考する必要がある。検温などの対策には限界がある」と警告した。

ただ、IOCで最古参のディック・パウンド委員(79)は「大会の計画と実行に関与する人々は、誰も中止を検討していません」と語っていることから、このまま強行開催への道を突き進むことになりそうだ。

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