東京五輪 謙信公大通りで聖火リレー 上越市内で12人がつなぐ

 東京オリンピックの聖火が4日、本県入りし、県内皮切りの糸魚川市に続き、上越市内でリレーが行われた。12人でのリレーとなり、雨の中、感染対策をして集まった沿道の観衆に手を振りながら、聖火をつないだ。県内では5日まで。

 上越市内では、午前11時15分ごろ春日小前を第1走者の長尾桃花さん(20、妙高市)が父親の義郎さん(46)に車いすを押してもらいながらスタート。謙信公大通りを走り、リージョンプラザ上越前まで2・6キロを、それぞれ熱い思いを持ったランナー12人がつないだ。途中、糸魚川市内でかまぼこ店を営む松本利恵さん(48)、セパタクローの元日本代表で上越市内に住む嵐富美雄(ふみお)さん(43)らも明るい表情で駆け抜けた。

雨の中、沿道の人たちが見詰める前で上越市の第1走者、長尾さんが父親と共にスタート(春日小前)

 ゴール地点のリージョンプラザ上越前では、上越市民芸能祭協議会の東京五輪音頭披露、謙信流陣太鼓の演奏が行われ、聖火の到着を待つ観覧者を沸かせた。

 午前11時50分ごろ、アンカーの林創(そう)君(14、上越教育大附属中3年)が到着。サポートランナーを務めた市内中学生20人と共に姿を現し、大きな拍手で迎えられた。

アンカーの大役を果たし、「最高です」と興奮冷めやらぬ様子で話す林君(中央)。下はサポートランナーを務めた市内中学生ら

 ミニセレブレーションでは、市内中学生2人が司会のアシスタントを務めた。トーチを持ってステージに上がった林君は「最高としか言いようがない」「一生の思い出です」と興奮冷めやらぬ様子で話した。村山秀幸市長のあいさつ、聖火の納火の後、越後上越上杉おもてなし武将隊の勝ちどきと場内からの拍手で締めくくった。

 終了後、別の場所でランナーの取材が行われ、長尾さんは「いい思い出になり、人生の中で大きな出来事になったと思う」、松本さんは「糸魚川の代表と思って、上越で元気に走らせていただいた」、嵐さんは「選手が主役。競技に集中し、思い切って取り組んでほしいと心から思う」、林君は「上越の人に元気を与えたいという気持ちで走った」と、上越3市出身・在住の走者はそれぞれ胸の内の感動や五輪への思いなどを表した。

 強風が予想されたため、沿道での太鼓や吹奏楽の演奏は急きょ中止となった。

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