新型ヴェゼルで車中泊はイケる!? 荷室のシートアレンジで身長180cmの男が寝れるか新旧ヴェゼルでチェックしてみた

ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」は、上級のミディアムクラス並みに広い室内が特徴だ。荷室のアレンジも多彩で実用性の高さも魅力となっている。それでは新型ヴェゼルで車中泊は可能なのだろうか。実際に身長180cmの筆者が実車をチェック。旧型ヴェゼルと共に比較してみた。新型ヴェゼルのシートアレンジと共に写真でチェックしてみよう。

ホンダ 新型ヴェゼル「e:HEV PLaY」(ハイブリッド・FF/ボディカラー:サンドカーキパール&ブラック 2トーン)[2021年4月23日発売]

新型ヴェゼルの荷室で車中泊は可能!? 身長180cmの男が実際に寝てみた

新型ヴェゼルの荷室長はおよそ190cm! 大人でも寝れそうな空間だ

コンパクトなのに、室内や荷室が広いと評判のホンダ 新型ヴェゼル。プレゼンテーション資料を見ていたところ「荷室長はおよそ190cm」とあり、荷室に人が乗っている姿を模したイラストが掲載されていたのが気になった。

身長190cmの人も寝れる!? ホンダの「新型ヴェゼル」プレゼンテーション資料より

人型のサイズからして、さすがに190cmの人が寝るのは難しそうに見えるが、180cmの筆者ならどうだろうか。

新型ヴェゼル試乗会に出向き、新型ヴェゼルの荷室で実際に寝ころんで確かめてみた!

ホンダ 新型ヴェゼルで実際に寝ころんでみた[モデル:身長180cm男性]

ホンダ 新型ヴェゼル 後席を倒しフラットにした状態の荷室[モデル:身長180cm男性]/本来なら頭を運転席側に向けて逆向きに寝るのが正解だが、その場合180cmだと、上のプレゼン資料のように頭がちょっと出てしまう。マットなど敷き、枕を用意すれば完璧だろう。荷室に寝ころび、頭上のパノラマルーフ越しの新緑を眺めながら過ごすのもなかなかだった

さっそく寝てみよう! 荷室の床面はフラットで寝るのにもちょうどいい。写真映えの都合上、頭を後方にしているが、この状態でリアゲートを閉じることが出来る。その場合ちょっと閉所感があるから、実際には反転して、頭を運転席側に向けて寝るのが正解だ。

もちろんその状態でも試してみたが、まっすく寝てみると、身長180cmではあとちょっと荷室床面の長さが足りず、ちょうどプレゼン資料のような状態になった。とはいえ、キャンプ用のマット(空気で膨らむインフレーターマットがベスト)と枕を用意し、寝袋と共に寝床を整えれば、新型ヴェゼルで車中泊をするのも全然問題はない。

写真のように1人なら余裕十分。大人2人でも十分寝れる空間が確保される。ただし2名の場合には、積んできた荷物をルーフキャリアや助手席、あるいは車外に移すスペースを確保する必要があるのでご注意を。

パノラマルーフ車(「e:HEV PLaY」に標準)なら、このように新緑と空を見上げながら寝ることが出来て最高に気持ち良い, 荷室面がフラットなのも新型ヴェゼルの美点
パノラマルーフ車(「e:HEV PLaY」に標準)なら、このように新緑と空を見上げながら寝ることが出来て最高に気持ち良い, 荷室面がフラットなのも新型ヴェゼルの美点

【参考】旧型ヴェゼルでも実際に寝ころんでみた! 床は低いが段差あってそのまま寝るのはキツい[モデル:身長180cm男性]

【参考】ホンダ 初代ヴェゼル(2013年~2021年) 後席を倒しフラットにした状態の荷室[モデル:身長180cm男性]/一見すると問題なさそうだが、ちょうど腰からお尻のあたり、後席シート背もたれの根本部分に角度のついた段差が生じており、このままではちょっと寝づらい

旧型のヴェゼルでも、車中泊を想定しゴロンと試してみた。

荷室が低い分、シートを倒した部分と段差が生じてしまう点に注目

写真で見比べるとわかるように、荷室レベルでの床面は旧型の方が低い。その分、実際旧型のほうが積載量も少し多いのだという。ただしその低さの分、後席シート背もたれを倒した根本部分に、ちょっと角度のきつい段差が生じてしまう。寝転んでみるとちょうどのその箇所が腰にかかって寝づらい!

こちらも新型同様にキャンプ用のマットなどで補正してあげるとよいだろう。そうした対策さえ出来れば、旧型でも大人2人でも十分寝ることが可能だ。

新旧ヴェゼルの荷室を比較すると、設計思想の違いが浮き彫りに! 実際に使いやすいのは新型だった

新型ヴェゼルの荷室。旧型と見比べると四角くすっきりした印象。アウドドアのテーブルやクーラーボックスなど四角い道具類を積み込む場合、こちらのほうが積み込みやすい, 旧型(初代)ヴェゼルの荷室。計測数値上はこちらのほうが荷室容量は大きいが凸凹した部分も含まれるので、実際には新型のほうが使い勝手は良かったりする面もある
新型ヴェゼルの荷室。旧型と見比べると四角くすっきりした印象。アウドドアのテーブルやクーラーボックスなど四角い道具類を積み込む場合、こちらのほうが積み込みやすい, 旧型(初代)ヴェゼルの荷室。計測数値上はこちらのほうが荷室容量は大きいが凸凹した部分も含まれるので、実際には新型のほうが使い勝手は良かったりする面もある

新旧ヴェゼルの荷室を写真で見比べてみよう。新型の四角い荷室に対し、旧型は凹凸が多くドア開口も広いのがわかる。また床面も旧型の方が低く、実際に計測してみると旧型の方が荷室容量は大きい。ただし、写真をご覧の通り、凸凹部の隙間も含めた数値である点に注意したい。

カタログでうたわれる数値上の「クラス最大の積載量」より、実際の使い勝手を追求した新型ヴェゼルの荷室

巨大なゴルフバッグも、横に積めば2セットも積むことが出来る,ホンダでは開発段階で実際にユーザーが積む荷物を想定しテストを重ねた
巨大なゴルフバッグも、横に積めば2セットも積むことが出来る,ホンダでは開発段階で実際にユーザーが積む荷物を想定しテストを重ねた

ホンダの新型ヴェゼル開発者に伺ったところ、開発にあたり、まずユーザーの使い方を調査したうえ、よく積まれるアウドドアグッズなどを実際に積み込んでテスト。すっきり四角いほうが、結局積み込みしやすく使い勝手も良いとわかったという。

「クラス最大」といったカタログ上でうたわれる最大積載量の「数値」だけ追うのは意味がないと判断し、あえて新型ヴェゼルでは荷室容量の大きさを訴求することは止めにしたのだという。

筆者も実際に寝転んでみて、フラットな荷室面の寝心地を実感。コンパクトSUVでも十分に車中泊が可能なことが確認できた。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:和田 清志・茂呂 幸正・Honda]

後席シートは単に背もたれが前倒しされるだけでなくこのように床下に収まり、結果としてより低くフラットな荷室面を確保する。実はここまで追求しているSUVは探してみると意外と少ないのだ, 通常のクルマはガソリンタンクが後席床下にあるが、ホンダはそれを前席床下に移動し、結果としてこのような広い床下面を確保。シートをチップアップすると、植木のような背の高いものでも積み込むことが出来るのが凄いところ
後席シートは単に背もたれが前倒しされるだけでなくこのように床下に収まり、結果としてより低くフラットな荷室面を確保する。実はここまで追求しているSUVは探してみると意外と少ないのだ, 通常のクルマはガソリンタンクが後席床下にあるが、ホンダはそれを前席床下に移動し、結果としてこのような広い床下面を確保。シートをチップアップすると、植木のような背の高いものでも積み込むことが出来るのが凄いところ
クーペ風のスポーティなフォルムと室内の広さの両立を図ったことで大ヒット作となった旧型(初代)ヴェゼル, 新型ヴェゼルのほうが大きく見えるが、実際にボディサイズはほとんど変わっていないのだ
クーペ風のスポーティなフォルムと室内の広さの両立を図ったことで大ヒット作となった旧型(初代)ヴェゼル, 新型ヴェゼルのほうが大きく見えるが、実際にボディサイズはほとんど変わっていないのだ

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