新型コロナ 64歳以下ワクチン接種券 6月発送予定は4市、11市町「未定」

 新型コロナウイルスワクチン接種券の64歳以下への発送時期について、県内21市町のうち、6月中に予定しているのは4市にとどまることが5日、分かった。11市町は具体的な時期を示していない。政府は6月中旬の発送を求めており、対応の難しさが浮き彫りになった。
 長崎新聞社が各市町担当者に尋ねたところ、島原、大村、平戸、壱岐の4市が6月中旬や下旬と回答。諫早市は6月中旬以降とした。続いて五島、南島原、西彼時津、長与、新上五島の5市町が7月上旬や中旬との見通しを示した。残る11市町は調整中や検討中も含め具体的な時期を未定とした。
 政府は「高齢者接種の7月末完了」という目標にめどが立てば、その完了を待たずに基礎疾患のある人を含めた64歳以下も始めるよう自治体に要請。接種券を「6月中旬」に発送することも求めている。
 未定の自治体は「高齢者接種が始まったばかり」(佐世保市、松浦市)、「65歳以上のめどがつき次第」(雲仙市)などと回答。現在進めている高齢者接種に注力する状況が分かる。
 発送順については、年齢の高い順や、基礎疾患のある人など感染した場合に重症化のリスクが高い人を優先する自治体が多い。
 ただ、ほとんどの市町が疾患の有無を把握できていない。大村市は「60~64歳」と「基礎疾患のある人」に6月下旬に発送予定だが、疾患については自己申告。時津町は事前に基礎疾患の有無や接種日の都合などをアンケートする。東彼東彼杵町も調査票を送る。
 一方、年齢や基礎疾患以外の要素で優先順位をつける動きもある。平戸市は6月中旬に介護・福祉施設の職員、7月中旬に保育施設職員に発送する方針。長与町は保育従事者らや高齢者施設の従事者も優先する予定だ。同町担当者は「幼児や高齢者は自らの感染予防が難しい上、従事者が密着して対応するため」としている。

 


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