間伐材有効活用し商品化 スウェーデントーチ製造

製造したスウェーデントーチを手にする曽根田雄久代表(左)

 美郷町北郷で木材の素材生産を手掛ける「曽根田林業」(曽根田雄久(たけひさ)代表)は、不要な間伐材で「スウェーデントーチ」を製造、販売している。切り込みを入れた丸太に小枝や木くずを載せて火を付けるもので、北欧では伝統的なたき火の道具として愛用されてきた。コロナ禍によるキャンプブームを追い風に、資源を有効活用した新商品の売り込みに力を入れる。
 曽根田代表(45)は7年前、神奈川県から同町に移住し、耳川広域森林組合に勤務。そこで、間伐で倒した木の多くが山に放置されることを知り、「もったいない」と感じたのが商品化のきっかけになったという。
 すぐに間伐材を使って試作。通常のたき火と違い灰が出ず、消火も小さなドラム缶をかぶせるだけ。再び火を付けることもできる使い勝手の良さに、手応えを感じたという。
 昨年6月に独立して以降、本格的に製造を開始した。ヒノキの間伐材を直径25センチ、高さ約30センチほどの丸太にし、5カ月ほど乾燥。丸太に細長い切り込みをチェーンソーで入れ、外観を整えるために皮を剝がした丸太の表面をかんなで削ると完成する。一度火を付けると1時間半ほど燃え続け、丸太側面の切り込みからは炎の赤い光が広がる。
 トーチの製造は伐採作業には危険な雨天時に行い、作業員の安全確保にもつなげている。曽根田代表は「放置された木々を形ある物にしたかった。生産し続けることで、今ある資源の有効活用になればうれしい」と話している。
 曽根田代表が管理するゲストハウス「日向サーフキャンプ」(日向市)で販売し、価格は2500円から。同社ホームページ(https://r.goope.jp/snd-lumberjack/)からも注文できる。

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