藤浪だけでは足りない? 阪神「急失速」回避へ不可欠なリリーフ陣の“再構築”

5日のソフトバンク戦で負傷した小林(左下)を心配そうに見守る阪神・矢野監督(右)

気になる兆候だ。セ・リーグ首位の阪神が6日のソフトバンク戦に3―8で敗れ、2カード連続の負け越しとなった。5月14日から続いた「〇●〇●」の〝オセロ現象〟も16試合でストップ。4月28日以来の2連敗となった。

先発予定のガンケルが5日の練習後に喉の痛みと頭痛を訴え、核酸増幅法による検査を受け「新型コロナウイルス陰性」と判定されたが、大事を取って回避した。代役に高卒2年目右腕・西純を指名したが、初回に3失点。4回以降も斎藤、及川が追加点を許した。終盤にマルテと佐藤輝の一発攻勢で意地は見せたものの、届かなかった。

2位・巨人とは3・5ゲーム差、貯金14の現状を考えれば、悲観する必要はない。だが、開幕からの勢いが徐々に失われつつある。

最大の懸念は中継ぎ陣だろう。守護神スアレスは盤石ながら、6月以降〝誤算〟が頻発。チーム一の27試合に登板していた岩崎が疲労で調子を落とし、4日に出場選手登録を抹消された。岩貞、馬場らも万全とは言えず、開幕からチームを支えてきたブルペン陣はガス欠気味だ。

矢野燿大監督(52)は「いる人間でみんなカバーしていくしかない」と岩崎との入れ替わりで藤浪を中継ぎ要員として昇格させた。しかし、5日には開幕から救援陣の一角を担い、18試合に登板していた小林も左足首を痛めて抹消されるなど、中継ぎの頭数がさらに不足する事態に陥った。開幕から歯車が順調に回っていた阪神に今季初ともいえる大きな正念場が訪れている。

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