神奈川・松田町、DHCとの協定一転破棄へ 議会の決議「尊重」

松田町役場

 化粧品会社ディーエイチシー(DHC)が吉田嘉明会長名でウェブサイトに在日コリアンを差別する文書が掲載され、その後に削除された問題で、同社と包括連携協定を結んでいる神奈川県松田町の町議会は7日、協定の破棄を町に求める決議書を可決した。町はこれまで協定を継続する方針だったが、本山博幸町長は神奈川新聞社の取材に「議会の意思は尊重しなければいけない」と一転して破棄する考えを示した。

 決議書は同日の町議会最終日に井上栄一氏(無所属)ら3人が提出。決議書は町に対し「誰もが平等で誰をも尊重する責務を認識しなければいけない」と協定の破棄を求め、議長と欠席者を除く10人全員の賛成で可決した。

 井上氏は取材に「文書を削除したからいい話ではない。そのような姿勢を持つ企業との関係を持つことが自治体として不適当」と訴えた。町側は「町民の声を真摯に受け止める」とし、早期に協定破棄をDHC側に申し出る方針という。

 町は2016年に協定を締結し、妊婦へのサプリ配布を行っている。協定を巡って、本山町長は3日の町議会全員協議会で「DHCから会長が反省していると聞いている。協定がいざ必要になる時はある」と災害時の支援も盛り込まれた協定の継続の必要性を訴えていた。

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