海へ響けペーロンの「音」 コロナ収束願い有志鳴らす 長崎・福田

海に向かってペーロンのドラ(手前)と太鼓を打ち鳴らす住民有志=長崎市小浦町

 ペーロンの「音」だけでも響かせたい-。長崎市福田地区の住民有志が6日、地元の海に向かってドラと太鼓を打ち鳴らした。新型コロナウイルス感染拡大防止のため各種大会が中止される中、少しでも地域ににぎわいを取り戻そうと企画。新型コロナ収束への願いも込めた。
 同市の夏の風物詩「長崎ペーロン選手権大会」や市内の各地区大会は2年連続で中止となり、伝統継承やチームの存続を危惧する声が上がっている。
 今回の取り組みには、選手権で「福田東部」チームを結成する福田本町、小浦町、大浜町の各自治会役員や監督、選手らが協力した。各町の海岸3カ所に分かれ、それぞれドラと太鼓を用意。無線で連絡を取り合いながら、午前10時から1レースの競技時間と同じ約5分間、3カ所から一斉に迫力のある音を響かせた。
 行事を取りまとめた福田地区自治会連合会の川原勇会長(74)は「新型コロナの沈静化や厄払いを願って、地域に元気な音を響かせた。来年こそはペーロン大会を開催できれば」と話した。
 この日は、同地区の小浦町舟津自治会(錦戸淑宏会長)も地元の磯で、伝統の「川祭り」を開催。例年、地区ペーロン大会などに先立ち、海の安全や大漁を祈願する意味合いがあるが、今年は新型コロナ禍を受け神事だけに縮小して執り行った。

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