地域の平和、コロナ禍収束願う 諫早神社で流鏑馬神事

コロナ禍の早期収束などを願い奉納された流鏑馬神事=諫早神社

 古式ゆかしい流鏑馬(やぶさめ)神事が5月30日、長崎県諫早市宇都町の諫早神社であった。狩衣(かりぎぬ)姿の射手(いて)らが馬を馳せながら的に向かって矢を放ち、地域の安泰や平和と、コロナ禍の早期収束を願った。
 同神社と、NPO法人長崎流鏑馬保存会でつくる「春の流鏑馬実行委」主催。鎌倉時代から同神社で続く神事で、2019年に百年ぶりに復活してから毎年開催している。
 境内に設けられた約60メートルの馬場を、6人の射手が馬で駆け抜けながら矢を的中させると、見守る市民らから盛大な拍手が送られた。日本の伝統文化に親しんでもらおうと、市民が参加できる体験会も実施。子どもたちなど42人が、長さ約70センチの弓を持ち、馬の上から的を狙った。
 きょうだいで参加した同市栄田町の古賀穂乃実さん(10)と楓人君(9)は「馬の背が高く、揺れるので緊張したけどちゃんと打ててよかった。楽しかった」と笑顔。同神社の宮本健一宮司は「日本の文化を間近に見て興味を持ってもらい伝統継承につながれば」と話した。

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