【東京五輪】陸上アフリカ選手権中止の衝撃 貧しい選手は五輪に出れず!?

五輪はどうなってしまうのか

アフリカ陸上連盟(CA)が、東京五輪に向けた最大の選考会となるアフリカ選手権を中止すると発表した。

当初予定されていたアルジェリアでの開催が新型コロナ禍の影響でナイジェリアに変更。23日から27日にかけて行われる予定だったが、ナイジェリア政府が「新型コロナ禍のため、大規模な大会の開催を許可しない」と最終的に決断したため中止が決まった。CAAによると代替大会は開催しないという。

この決定により、アフリカ陸上界は大きな混乱に陥っている。

英公共放送局「BBC」によると、五輪出場経験のあるボツワナの有力選手であるアイザック・マクワラは、同大会の中止が「アフリカ大陸のオリンピック出場希望者に大きな打撃を与えるだろう。多くのアフリカ人は五輪参加標準記録をマークするのに苦労する」と指摘する。

アフリカ全土の多数の有力選手が同大会で東京五輪の参加標準記録の突破を見据えて調整していたが、その機会が消滅。資金力のある国は独自に代替の五輪予選を開催したり、また有名選手は欧州の大会に転戦して標準記録の突破を狙うなど東京五輪への道が完全に閉ざされたわけではないが、マクワラは「すべてのアフリカ人が競争するために欧州に行くのは簡単ではない。まず資金が必要で、他にも多くのものが必要だ。だから、この決定は選手たちを大いに混乱させる」と主張した。

資金力のない選手は東京五輪に出場できない公算が高くなったのだ。

五輪では特に陸上で多くのアフリカ選手たちが活躍してきた。コロナ禍の東京五輪ではそうしたアフリカ勢の大半を欠く可能性もあり、競技のレベルや公平性に疑問符がつきそうだ。

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