ワクチン個別接種に財政支援 被災者支援制度を創設 長崎県補正予算案

 長崎県は10日、18日開会予定の定例県議会に提出する総額37億3200万円の本年度一般会計補正予算案など12議案を発表した。新型コロナウイルスワクチンの接種を加速させるため、個別接種を行う診療所などへの財政支援費9億4900万円や、自然災害の被災者に支援金を給付する県独自の制度創設費2千万円などを盛り込んだ。
 診療所などへの財政支援は、現行のワクチン接種1回当たり2070円の対価を増額し、接種回数や協力医療機関を増やす狙い。各診療所などが7月末までに4週間以上接種した場合、週100回以上なら1回2千円、週150回以上なら1回3千円を上乗せする。財源は国庫支出金。
 新たに創設する被災者の支援制度は「被災者生活再建支援法」など国の制度の適用外となった人が対象。同法は「10世帯以上の住宅が全壊した市町における自然災害」など基準があり、「適用のハードルが高かった」(県)という。
 例えば、居住地と隣接する市町と同程度の被害を受けた場合、居住地が同法の適用外でも隣接市町が適用されれば、県の支援制度の対象となり、住宅の被害程度に応じ、25万~300万円が支給される。県によると、本県以外の九州各県では同様の制度が独自に設けられている。
 このほか、新型コロナ感染症対策として、長期運休を余儀なくされている国際定期路線維持のため、県内に支店を置く航空会社への支援(600万円)などを計上した。補正後の一般会計予算総額は、前年同期比3.7%減の7813億3800万円。

© 株式会社長崎新聞社