糸魚川市官製談合事件 市職員起訴 米田市長あらためて陳謝 原因究明し再発防止を

 糸魚川市定例記者懇談会が10日、市役所で開かれた。官製談合防止法違反などの容疑で市職員が逮捕され、8日に起訴されたのを受け、冒頭で米田徹市長があらためて陳謝した。併せて市議会6月定例会の提出議案など3点について報告した。

 米田市長は、市職員の起訴に「事実を重く受け止め、市民の皆さまをはじめ多くの皆さまに対し、市政に対する信頼を損ねたことに対し、あらためておわびを申し上げる」と頭を下げた。

 市の対応として米田市長は「引き続き原因の究明に努め、同じ過ちを繰り返すことのないよう、職員一丸となって再発防止を図るとともに、信頼の回復に全力で取り組んでいく」と述べ、第三者委員会の人選を今月中に完了する見通しなどを示した。当該職員に対しては今後、厳正に対処していくとした。

記者団との主な質疑

第三者委 今月中に人選

 記者団の質問に対し、米田市長、五十嵐久英総務部長が答えた。主な質疑は次の通り。

 ―起訴状はご覧になったか。

 米田市長 まだ見ていない。

 ―起訴状に元係長が業者に庁内からアプリを使い情報を漏えいしたというくだりがあるが、認識は。

 米田市長 だとすれば由々しきこと。

 ―今後の対応は。

 米田市長 われわれ公務員は守秘義務が一番。絶対やってはいけないことを徹底しなくてはいけない。

 ―起訴状に目を通していないのは驚いた。

 五十嵐部長 起訴状は、起訴された本人と弁護士にしか行かないと聞いており、警察等から情報は一切ない。私どもも手に入れるべく模索している。

 ―何が問題の根底にあったと考えているか。今回の犯罪を個人の犯罪と考えているのか、市、建設業界の組織の問題と捉えているのか。

 米田市長 公務員としてのモラルの欠如が一番と思っている。(市役所の)どんな職種、業務についても同じで、犯罪につながるということを職員に対し指導している。

 ―逮捕に「突然のことで驚いている」との発言があったが、逮捕についてか、官製談合の存在に対してか。

 米田市長 双方に驚いた。

 ―官製談合による逮捕、起訴自体が重いこと。糸魚川のイメージが談合のあるまちになってしまった。原因究明、再発防止を具体化していかないと同じことが起こる可能性がある。市に官製談合が旧来的にあって、今回たまたま1人の職員から出たという見方も出てくる。その対処の考えは。

 米田市長 私はそういう態勢にはなっていないと思っている。今回のことであると思われる市民がいるかもしれないが、決してそのようなことはないと私は信じている。

 ―原因究明等を具体的にどのように取り組んでいくのか。

 米田市長 第三者委員会でしっかりそのへんを明らかにすることで、信頼を得ていきたい。

 ―第三者委員会の概要は。

 五十嵐部長 市外の方で人選しており、今月中に完了予定。できるだけ早く第1回委員会を開くべく現在調整している。

 ―委員はどういった方か。規模感は。

 五十嵐部長 入札制度、職員倫理・コンプライアンスに詳しい方、大学の先生、弁護士等知見のある方を当たっている。5人程度で考えている。

 ―そもそもの発端となった市庁舎トイレ改修工事の入札は、再度行うことになるか。

 五十嵐部長 今回の件が、新駅トイレ新設工事に関わる部分だけで捜査が終わったと分かれば、その時点であらためて発注していきたい。

 ―内部での確認、調査は。

 五十嵐部長 当然続けていく。

 ―入札制度そのものに問題がないとすれば、官製談合というよりも、官民癒着という見方もある。駅北大火後の大きな工事が続いた中で、市、業者の双方に緩みが生じたのではないかという捉え方もある。

 米田市長 結果的に事件が起きたので指摘を受けて当然と思うが、しかし、絶対してはいけないことを犯しており、最初の一歩からずれている。毎年、市職員から(規定を守る)誓約書をもらっている。そういったところを再認識し、職務に当たってもらうよう努めたい。

 ―糸魚川商工会議所の猪又史博会頭が辞任を表明された。官民連携の中でさまざまな事業をやられてきたが、辞任をどのように受け止めたか。

 米田市長 (猪又会頭の人柄等をよく存じておるが故に)そのことに関しては、コメントを控えさせていただきたいと思っている。

 ―市長ご自身の責任、進退は。

 米田市長 第三者委員会等があり、内容によって判断していきたいと思っている。

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