【新型コロナ】五輪聖火リレー、神奈川は公道走行を中止 藤沢の大会PVも中止、知事「申し訳ない思い」

 神奈川県の黒岩祐治知事は11日の定例会見で、28~30日に予定されていた東京五輪聖火リレーの公道走行を中止すると表明した。さらに、大会期間中に藤沢市の片瀬東浜海水浴場でパブリックビューイング(PV)などを行う「ライブサイト」についても中止する。

 黒岩知事は「県内の新型コロナウイルス感染者数は大変厳しい状況が続いている。まん延防止等重点措置が20日に解除されたとしても、現状では引き続き外出自粛を要請しなければならない」と説明。外出自粛が発出されている場合は原則としてリレーの実施を見合わせる判断基準が大会組織委員会で示されているという。

 知事は「1年延期されて待ち望んでいたランナーやライブサイトを楽しみにしていた県民の皆さまには大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と述べた。

 聖火リレーの公道走行の代替措置として、各日のセレブレーション会場(28日=藤沢・辻堂神台公園、29日=相模原・橋本公園、30日=横浜赤レンガ倉庫)で走行予定のランナーが聖火を受け渡すトーチキスのセレモニーなどを行う方向。組織委と今後協議する。

 県内の聖火リレーは、1日目に箱根をスタートし、15市町の計23区間でトーチをつなぎ、3日目に横浜でゴールする予定だった。9日には俳優で歌手の加山雄三さんの辞退が発表されるなど、これまでにランナー4人が辞退していた。

 公道走行の中止に伴い、予定されていた交通規制も行わないとしている。

 一方、ライブサイトは藤沢・江の島沖で行われるセーリング競技の期間(7月25日~8月5日)に開催する予定だったが、他県では相次いでPVの中止が決定され、神奈川県も判断を迫られていた。

 パラリンピック期間の8月28、29日、9月4、5日に小田原城址公園で開催予定だったライブサイトも中止する。

 知事は関連イベントの中止が相次ぐ中での五輪開催について「一番の核はトップアスリートによる競技大会であり、これは死守したいというのが私の率直な思い。開催自治体として安全安心のために全力を挙げたい」と述べた。

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