メクル第552号 ヨーロッパフラミンゴ 真っ赤なミルクで子育て 大崎自然公園「くじゃく園」

「4」の字の片脚立ちでびくともしないフラミンゴ=東彼杵郡川棚町、大崎自然公園「くじゃく園」

 メインのクジャクに負けない圧倒的(あっとうてき)な存在感(そんざいかん)を放つピンクの美脚集団(びきゃくしゅうだん)。その正体は18羽のヨーロッパフラミンゴ。時折、小競り合いをすることもあるけれど、あっちへ行くにも、こっちへ行くにも、みんなで一斉(いっせい)に行動する。
 生息地は地中海からカスピ海、アフリカ南部、アジアなど。水の中を片脚(かたあし)で立つことが多いのは、少しでも体温を逃(のが)さないためだそう。羽を広げると、隠(かく)れていた鮮(あざ)やかなオレンジと黒い羽が見えた。水の中で効率(こうりつ)よくエサを捕(と)らえるために、くちばしは下向きに大きく曲がっている。
 フラミンゴは鳥類には珍(めずら)しく、ミルクで子育てをするという。驚(おどろ)くべきは、オスもメスもミルクを出すこと。のどの奥(おく)の「そのう」という部分から、血液(けつえき)でできた真っ赤なフラミンゴミルクを与(あた)えると、灰色(はいいろ)のヒナの体は段々(だんだん)とピンク色に変わる。その分、親の体は白っぽくなるんだって。
 それにしても、彼(かれ)らはなかなか顔を上げてくれず、カメラマン泣かせだ。脚は「4」の字の形みたいな片脚立ちのまま、くちばしで水面をはうようにエサとなる藻(も)を探(さが)し続けている。何たるバランス感覚と体幹(たいかん)の強さ! でも…目を見ると必死な表情にも思えてきて、応援(おうえん)したくなってきた。 

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