節約のプロはどこから見る?お金管理が苦手な人への家計の無駄の見つけ方

「節約をしなくては」「貯蓄をしなくては」と思いながらも、どこから手をつけていいかわからず、不安ばかりが募ってしまいます。何をすればいいのか、自分の家計が節約できるポイントの見つけ方を紹介します。


「自分の家計を把握しているか否か」を認識する

筆者がセミナーや家計診断で、最初にする質問は「先月の電気代と、昨年の同月の電気代の金額を答えられますか?」です。1円単位の答えでなくて構いません。だいたいいくらだったのか答えられるか否かで、自分の家計を意識しているのかそうでないのかが分かってきます。

大切なのは、自分が把握しているかしていないかを認識することです。「節約しなくては」と悶々としているだけで、家計を把握していない場合が多いのです。

まずは大前提として、自分の家計の支出割合、何にいくらぐらい支払っているかを把握するところからはじめましょう。

支出費目で最初にチェックするのは通信費

実際に家計の支出の中で最初に見るのは通信費になります。今、家庭によって一番開きがあるのが通信費だからです。以前より格安スマホ、格安SIMでの契約がありましたが、この春から通信大手3社からも携帯料金の格安プランが登場しました。しかし、まだ何も契約の見直しをしていない人も多いのです。

先の電気代の話と同じく、自分が携帯で毎月、何分通話しているのか、データ通信で何ギガ使っているのかを把握することも大切です。それによって自分にあう契約内容も見えてきます。

筆者自身、以前は通信大手で2台のスマホを契約し1万3,000円前後を毎月支払っていましたが、2015年に格安SIMに変えたことで毎月2台で4,000円弱となりました。続いてこの春からの携帯料金値下げのタイミングで契約内容を変更し、更に毎月の携帯料金が安くなり、当初の1万3,000円前後と比べれば1万円以上の節約になっています。

自分を例に挙げましたが、携帯の契約内容を変えるだけで毎月大幅な節約になるので、ぜひあったプランを検討してください。

尚、新プランや格安携帯と言われるものは、従来の契約と利用できるサービスに違いが出てくる場合もありますので、内容をよく確認してください。

固定費以外の日用品や被服費・雑費

通信費に続いてチェックしたいのは、日用品費や被服費、雑費など固定費以外のイレギュラーな出費です。最初に電気代の話をしましたが、実は水道光熱費に関しては、無駄遣いするにも限度があります。一日中、全部屋の電気やエアコンをつけっぱなし、水道を流しっぱなしなど考えづらく、節約できる金額も日用品費などに比べると少ないケースが多いからです。

一方、日用品費や雑費、交際費などは人によっては、かなり無駄遣いしているケースが見受けられます。これらの項目は家計簿の金額を見るのではなく、何を買ったのか個別に見て、「本当に必要なものだったのか」「実際に活用しているのか」を確認します。

「これ、あったら便利かも」くらいの物をすぐに買ってしまう習慣の人は、家の中に使っていない物がたくさんあり、結果的にそれらを買っていなければ大きな金額の節約につながるからです。

もしも軽い気持ちで買い物をしがちな人は、自分にとって本当に必要なものだけを買う習慣に見直していきましょう。前回の記事モノを減らすとお金が貯まる?スッキリ暮らす節約術も参考にしてみてください。

人によっては大きく節約できる各種保険

ここまで身の回りの身近な節約をできたら、今度は生命保険や損害保険などの毎月の固定費を見直しましょう。高額な保険料を支払っている人もいて、月に数千円、数万円になると大きな額になってしまいます。いざという時にどれくらいの金額が必要かは、人によって違ってくるので一概に適正金額は言えませんが、いまその人の生活に必要のない保険に加入していたり、保障内容が重複しているパターンも多いので一度見直しをしてみてください。意外と多くの人が保険のカバー範囲を把握していないのが実情です。

節約が苦手だという人は、まずは今回のような順序で、家計の支出を見ていくと、今まで見えていなかった無駄が浮き彫りになってきます。無駄が分かれば改善し、コツコツ貯蓄にまわすことで、悶々としていた不安も軽減できていくので頑張ってくださいね。

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