【核心直撃】11年ぶり2度目の交流戦Vで盛り上がるオリックスだが、浮かれた様子はまるでない。フロントトップの森川秀樹球団本部長(60)が手綱を締めているからだ。3年ぶりの貯金生活、引き分けを挟んでの6連勝で首位・楽天に2ゲーム差の3位浮上と景気のいい数字が並んでいるのに、同本部長は「勘違いしてはいけない」「全然、沸き立ってないです!」と球団内に目を光らせている。
――交流戦優勝で今後の手応えを感じているのでは?
森川本部長 先を見据えて一つひとつ積み重ねていく。浮かれたことは一切思っていませんし、考えてもいません。
――粘り強い戦いができるようになった
森川本部長 結果が表していますけど、かといって、これで何かが見えたとかは全然思っていない。日々、状況が変わる。浮かれているような人がいるらならば「そうじゃない」と共有していかないといけない。そんなスタッフはいません。
――フロントしてのサポートは
森川本部長 グラウンドに関しては中嶋監督にお任せだし、それ以外の部分ですね。新型コロナ対策も縛り一辺倒でいいのかとか、選手がいいコンディションでできるよう考えていくのがフロントの責任。戦力補強についても、あらゆる可能性は日常的に探っています。
――中嶋監督は自主性を重んじる野球をさせる
森川本部長 米マイナーで指導経験がある。ひらめきがあるんじゃないですか。自主練習をやるべき人が、やるべきタイミングですごくやっている。放任ではないし、監督自身が不振の選手に寄り添っているし、いろんな手立てを講じている。若い選手が多いので、自主性だけでもない。
――この先また山あり谷ありになると
森川本部長 一寸先はどうなるかわからない。安穏としていられない。交流戦の結果は結果であって目指しているところは先にある。満足してはいけない。待ったなしですぐに首位・楽天(18日~)と試合がある。
――選手はノリノリだが…
森川本部長 それがプレーで出るのはいいけど「これでいけるぞ」なんてまったくもって時期尚早だし、思っていたら大きな勘違い。監督、コーチもそんな勘違いはさせていないし、ネジを巻き直さないといけない。マラソンの20キロ地点でトップを走っていても「優勝だ」なんて言う人は誰もいないじゃないですか。全然、沸き立っていないです。