長崎市内観光施設 人出まばら 屋内型では家族連れ笑顔 宣言解除後、初の週末

観光客の姿がまばらな大浦天主堂前=長崎市南山手町

 新型コロナウイルス禍で、県独自の長崎市への緊急事態宣言が解除されてから初の週末を迎えた12日、市内の観光施設は小雨交じりの天気も重なり、人出はまばらだった。一方、屋内の行楽施設は、再開を待ちわびた家族連れが休日を堪能し、活気を取り戻しつつあった。
 長崎港を一望する観光施設「グラバー園」(南山手町)。同園によると、コロナ禍前の週末の入場者は千~1500人だったが、「宣言が解除されても(以前より)一桁少ない。粛々と業務を続けるしかない」(同園担当者)。大浦天主堂前を散策していた長崎大3年の山口優里さん(20)は「延期していた新入生の歓迎行事で来た。屋外で活動できてうれしいけど、まだ気を付けないと」と表情を引き締めた。
 同市では昨年春以降、県独自を含めて3回、緊急事態宣言が発表され、公共施設の臨時休館など市民生活に影を落とした。市内の感染者は減少しているが、予断を許さない状況が続く。

ペンギンの観察を楽しむ家族連れ=長崎市宿町、長崎ペンギン水族館

 世界文化遺産の端島(軍艦島)への上陸クルーズを8日から再開した「やまさ海運」(同市)。12日の午前便は天候不良で上陸を見送り、二十数人が船上から見学。伊達昌宏社長は「予約は伸び悩むが、ワクチン接種が進み、旅行しやすい環境に戻るまで辛抱するしかない」と話した。
 屋内の公共施設は、家族連れらの歓声が響いた。長崎ペンギン水族館(宿町)を訪れた諫早市野中町の中神繁靖さん(40)は「これまで子どもたちを連れて行く場所が限られていた。久しぶりに楽しそう」と笑顔を見せた。
 NTTドコモがまとめた12日午後3時現在の人出は前日と比べ、長崎駅で12.0%減、浜町アーケードで2.3%増だった。

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