韓国の経団連が駐韓日本大使招き懇親会...ビジネストラックなど議論

日本の経団連に相当する、韓国の全国経済人連合会(全経連)が、相星孝一新任駐韓日本大使を招き企業懇談会を開催したと16日に明らかにした。この席で、日韓経済人の目下最大の問題として、「両国企業人間の移動制限」が挙げられたという。

この日、全経連カンファレンスセンターで開催された懇談会において、ホ・チャンス全経連会長は開会の辞で「最近、悪化した日韓関係のため、人的、物的交流が萎縮し、両国の経済と企業、一般国民が被害を被っている」とし、「韓国での経験が豊富な相星在韓日本大使が日韓関係の改善に積極的に取り組んでくれることを期待する」と述べた。

ホ会長は続けて、「グローバルカーボンニュートラル、米中葛藤、4次産業革命対応など、日韓両国が協力する分野が多い」とし、「今年11月に全経連が日本経団連とソウルで開催予定の日韓財界会議とアジアの主要経済団体長が参加するアジアビジネスサミット(ABS)に、大使が多くの支援をしてくれることを期待したい」と付け加えた。

相星大使は「日韓経済関係の発展に全経連が多くの貢献をしてくださったことに感謝する」とし「高い技術力を誇る日韓経済界が協力する余地は大きい」と述べた。

最近、韓日間の懸案として浮上した東京電力福島原発の汚染水処理問題について相星大使は「韓国国民の懸念は十分に理解しており、これに関連して、韓国政府と過去2年半の間、合計100回を超える意見交換や、データ提供などを通じてコミュニケーションしている」と述べた。

相星大使はまた、「今後も韓国国民の懸念を払拭することができるよう透明性のある情報を共有していくものであり、本問題が日韓関係に悪影響を与えないよう、科学の問題として扱われ管理されていく必要がある」と日本政府の取り組みに対する韓日経済人たちの理解を求めた。

今回の懇談会に参加した相星大使は、前任者の富田浩司大使が駐米日本大使として異動したことに伴い赴任した。金大中政府時代(1999年〜2001年)に1等書記官と参事官、盧武鉉政府時代(2006年〜2008年)参事官と公司を務めたことがあり、韓国語が堪能で韓国文化が好きなことで知られている。

この日の懇談会で、韓日経済人は、現時点での最大の問題点として「韓日間の入国制限措置」を1位に挙げた。一例として、企業が日本の派遣社員の経営管理者の承認を日本政府から受けたにもかかわらず、日韓間のビザ発給が現在スムーズでないため、いまだ出国できない状態であるとし、ビザ発給の円滑化を訴えた。

特に、両国ともに、ワクチン接種が本格的に始まっただけに、接種を完了した企業間では、現在暫定的に中断状態である企業の特別入国手続き(ビジネストラック)を再開することができるよう、両国政府が尽力してくれることを希望した。

併せて、現在、台湾などのいくつかの国と韓国が推進中のトラベルバブル(隔離免除旅行許可)も、日韓間での導入を検討して民間交流を活性化する必要があるという意見もあった。

これに対して相星大使は「人の往来再開時点は、国内外の感染状況や防疫措置の履行状況等を勘案し総合的に判断していくが、なるべく早期に往来を再開して、日韓経済界関係者の意味のある交流が行われるよう積極的に努力する」と述べた。

一方、この日の懇談会には、ホ・チャンス全経連会長をはじめ、ハンファエネルギー、ロッテ建設、SKマテリアルズ、東レ先端素材、TYM(旧東洋物産企業)など、日韓企業30人余りが参加した。

(参考記事:「日韓両国の国民、いずれも関係改善を希望…同時アンケート調査で判明」)
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