皇室行事の「新嘗祭(にいなめさい)」に新米を献上する宮中献穀事業の「お田植祭」が13日、長崎県東彼波佐見町岳辺田郷であり、地元農家や小学生が五穀豊穣(ほうじょう)の願いを込めながら苗を植えた。
毎年、各都道府県が推薦した耕作者が、新嘗祭で使用する新米を生産する。本年度は同町の農事組合法人「岳辺田」(楠本信夫代表理事)が担当。同町からの献上は1993年度の鬼木郷以来、28年ぶり。
お田植祭に先立つ5月22日の「播種(はしゅ)祭」で種をまき、「なつほのか」の苗を育てた。波佐美神社と金屋神社による神事の後、地元の小学生7人が紺がすりの着物姿の早乙女、同法人の農業者5人が白装束姿の早男にふんし、苗を植えた。
楠本代表理事(74)は「栄誉ある仕事に岳辺田を選んでもらい感無量。これからの台風シーズンなど心配事も多いが一生懸命育て、いいお米を献上したい」と話した。
8月に虫よけ、風よけ祈願の「青田祭」、10月に稲刈りの「抜穂(ぬいぼ)祭」を予定する。
五穀豊穣 願い込め「お田植祭」 波佐見・岳辺田
- Published
- 2021/06/16 23:41 (JST)
- Updated
- 2021/06/17 11:13 (JST)
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