完全復活見えた! ソフトバンク・千賀に侍ジャパン追加の“ウルトラC”の声

驚きの順調ぶりだ

五輪休み前の一軍マウンドは十分に見えている。左足首じん帯損傷からの復活を目指すソフトバンクの千賀滉大投手(28)が17日、タマスタ筑後で行われた三軍戦で実戦復帰した。4回を投げて最速158キロをマーク。周囲も驚く順調ぶりで、チーム内からは日本代表が有事に陥った際の追加抜擢を〝ウルトラC〟として推す声も出ているほどだ。

圧巻の復帰マウンドだった。4回を3安打無失点。直球はコンスタントに150キロ台後半をマークして最速は158キロだった。すべての球種を交えて51球を投げ込んだ。

ふくらはぎの不調で開幕に出遅れ、4月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)で今季初登板。しかし、アクシデントに見舞われた。投手ライナーを捕球した際に左足首を痛めて、再びマウンドから遠ざかることになってしまった。当初は松葉づえを使用しギプスで左足を固定した姿だったが、精力的なリハビリで実戦復帰にたどり着いた。

およそ2か月半ぶりの登板を終えた右腕は「ブルペンの延長という気持ちで投げましたが、ユニホームを着て、スパイクを履いて試合で投げられるということに関しては感慨深いものがありました」と晴れやかな表情。長いリハビリ期間について「つらい気持ちもありましたけど、この時間を有効活用しないわけにはいかないと切り替えられた。『もっとすごくなるために』と、いろいろ考えられた、いい時間だったと思う」と振り返った。

周囲も驚きの順調ぶりだ。次回は中5日に設定された23日のウエスタン・阪神戦(筑後)で70球を投げる予定。このままいけば五輪休み前となる7月14日までの一軍マウンドは十分に見えている。その充実ぶりにはチーム関係者からも「この分なら五輪の本番の時期にはビュンビュン投げている可能性はある。それこそ急きょ故障者だったりが出て追加招集が必要なピンチになった際には、秘密兵器としていけるんじゃないか!?」との声までが出ているほどだ。

もともと千賀は今回の五輪で柱の一人として目されており、故障がなければ間違いなく16日の内定選手に入っていた。JOCに提出された1次ロースターにも入っており、ルール上でも入れ替えは可能な選手でもある。あくまでも仮定の話で〝ウルトラC〟の域となるが、順調そのものであることに加えて、千賀自身も五輪への思いは強いだけに…というわけだ。

この日の千賀は前日にあった五輪の発表について「稲葉さんから連絡ももらいましたし、そこは自分の中でもリハビリ組から呼ばれるなんて、なかなかそんなことはないと思っているので。とにかく自分のやるべきことに対して集中するだけかなと思います」。指揮官からの言葉は「内緒です」と話した。

国際試合で堂々の投球を見せてきた千賀が万全の状態で侍ジャパンに加わってくれれば…。復帰過程ながら、そう思わせるほど鷹のエースが充実した姿を見せていることは間違いない。

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