「刷新」か「継続」か 佐々町長選終盤情勢 浜野、古庄両候補が一騎打ち

古庄剛候補(写真左)、浜野亘候補

 15日告示された北松佐々町長選は終盤戦に入り、前町議で新人の浜野亘候補(65)=無所属=と、4選を目指す現職の古庄剛候補(74)=無所属、自民推薦=が一騎打ちを展開している。3期12年にわたる古庄候補の町政運営への評価が主な争点。20日の投開票に向けた情勢を探った。

 佐々町は長崎県内第二の都市、佐世保市に隣接し、交通網の整備や宅地開発が進む。人口は約1万4千人で、古庄候補が2009年に町長になってから約300人増えた。わずかではあるが、県内で人口が増加傾向にある数少ない自治体の一つだ。
 浜野候補は町民と対話する中で、「町長選に出てほしい」との声を受け4月に出馬を決意。古庄候補に対し「『検討します』というばかりで事業進捗(しんちょく)が遅い」と指摘、「町政刷新」を積極的に訴える。人口の千人増や、出産祝い金や高齢者外出支援の充実などの政策を掲げている。
 町議時代から町内をくまなく回る「草の根」活動で、町民と対話を重ねてきた。告示後は、街頭活動に力点を置いている。「反応は良い。もう一歩のところまで来てる」と浜野陣営は意気込む。
 古庄候補は、子育てや福祉の政策に力を入れてきたと実績を強調。庁舎建て替えをはじめとする四つの大型事業を挙げ「最後の仕上げをやりたい」と力を込める。佐世保市などとつくる連携中枢都市圏を重視する考えも示している。
 告示までは、盛り上がりに欠けるといった声もあったが、古庄候補の出陣式には建設会社関係者を中心に約300人が集まった。自民、立憲民主の県議も応援に駆けつけ、「自信につながった」と古庄陣営は語る。組織力をうかがわせながら支持拡大に躍起だ。
 今回の選挙では、新型コロナウイルスの影響で集会ができない状況となっている。浜野陣営は「どれくらいの支持があるのか分からない」、古庄陣営も「正確な支持層を把握しづらい」と、情勢を測りかねている。
 有権者は選挙戦をどう考えているのか。60代パート従業員の男性は「両候補の政策は似たり寄ったりで、これといって引かれるようなものはない」と冷ややか。県外から町内に昨年移住した20代主婦の女性は「子育ての政策をしっかり考えている人に投票したい」と話した。
 「刷新」か「継続」か注目される今回の選挙。浮動票が多いとみられる若い世代の取り込みも鍵を握りそうだ。投票率はコロナの影響などで、前回の64.85%を下回り、60%前後になるとの見方が強い。
 有権者数は1万1318人(男5280、女6038)=14日現在、町選管調べ=。

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