立憲民主党・枝野幸男代表の本音に迫る!いまの自民党政権に思うことは?コロナ対策をどう評価する?

選挙ドットコムでは、乙武洋匡氏をMCに迎え選挙や政治の情報をわかりやすくお伝えするYouTube番組「選挙ドットコムちゃんねる」を毎週更新中です。

今回は、今年5月15日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは立憲民主党・枝野幸男代表です。自民党政権へ思うことやコロナ対策について伺いました。

 

国政選挙3連勝の結果について

この日の対談は、4月25日に結果が出た国政選挙の話題からスタート。2012年の政権交代以来、野党側の主張を有権者に聞いてもらえない状況が続いていたと枝野代表は話します。ところが、与党があまりにもダメだということで、野党の意見も聞いてみようと有権者の意識が変わり、そのことを裏付ける選挙になったのではないかと振り返りました。

メディアなどでも、「コロナ対策、政治とカネ」この2点に対する国民の不信感が野党3連勝につながったのではと報じられていることを乙武氏が紹介。すると、「その2点にも象徴されているが、長期政権のなかで、ちょっとやり過ぎじゃないかという空気感が有権者の間に広まっていると感じる。それが立憲民主党に政権を任せることへ繋がるかはこれからだ」と気を引き締めました。また、有権者が今いちばん関心を持っているのは感染症対策であり、立憲民主党に任せたら感染症対策が飛躍的に良くなることをアピールしていきたいと話しました。

 

菅政権のコロナ対策に思うこと

これまで何度も失敗してきた通り、経済と感染対策の両立は無理だと話す枝野代表。とことん抑えこむ戦略をとった他国を例に挙げ、日本もそちらへ転換すべきだと述べます。一方で、強制的なロックダウンの制度が弱い日本においても政府の要請に応じる国民性を高く評価し、その部分をもっといかさなければならないと話しました。

ワクチン普及が遅れた背景として、枝野代表は2つの原因を挙げます。

1つは役所の縦割り行政問題。最初の見通しがズレている原因は、きちんとしたワクチンの契約を結ばなかったことにあると話し、ワクチンを所管する厚生労働省は国際的な取引に慣れていないため、経済産業省にやらせるべきであったと述べました。

もう1つは、昨年2月頃からずっと緊急事態であるにも関わらず、平時だと思ってしまっている点。厚生労働省も、財務省からベッド数を減らせと言われ続けてきた平時の頭に戻ってしまっているのではないかと指摘。福島第一原発の状況を受けて政府が出した原子力緊急事態宣言が今も継続中であることを例に挙げ、緊急事態宣言は出しっぱなしにすべきだと口にしました。

強制力がない中で、どう対応していくべき?

枝野代表は、入国制限を徹底的に強化すること私権制限と補償をセットで出すことが重要だと話します。また、ゼロコロナ戦略に向けて、ロックダウンのための強制力を伴った法律が必要だとするならば、それに反対の立場ではないと明らかにします。各業界への補償については、全体として今なにをすることが経済的に得なのかという説得を、政治がしっかりするべきだと主張しました。

補償を出せばいいのに出さないのは、基本的に個人の財産については補償しないというのが財務省的な発想で昔からの慣習なのだと、東日本大震災時の記憶も振り返りながら話します。一方で、「民主主義国の役所である以上、補償を公約に掲げて選挙に勝った政権が誕生すれば、いきなりそれに反対はできない」とし、十分な補償を担保したいとする立憲民主党の立場を明らかにしました。

日本の舵取りを担う政権へ感じること

枝野代表が現在の自民党に最も危惧しているのは、情報を隠すことや改ざんすることだといいます。情報の公開や公文書の保存等について早く改めないと、それが今回のコロナ対応にも影響していると口にしました。この指摘に対しては乙武氏も強く同意。「有権者は国のことを判断する責任と権利を持っている。正確じゃない情報しか与えられていないのだとしたら、民主主義が機能不全に陥ってしまう」と主張しました。

また、自身も内閣官房長官を経験した立場として、「何度もある会見で答えたくない質問が来るなか、無視したくなる気持ちは分かるが、それを積み重ねていくと長期的には政権への信頼が損なわれ、結果として大きなマイナスに繋がる」と述べました。

 

枝野幸男氏プロフィール

1964年栃木県生まれ。東北大学法学部卒業後、弁護士業を経て政界へ。日本新党の候補者公募に合格し、1993年衆議院議員に初当選。以後再選を重ね現在は9期目を務める。旧民主党政権時には内閣官房長官等を歴任した。2017年には自身を中心に旧・立憲民主党を結党。解党後に結党された新・立憲民主党でも代表を務めている。

© 選挙ドットコム株式会社