大宮・ネットカフェ立てこもり 警察突入の是非と常連客の「心配ごと」

現場のネットカフェ前は物々しい雰囲気だ

17日午後に発生した、さいたま市大宮区のネットカフェ立てこもり事件は、通報から17時間が経過した18日午前も膠着状態が継続。ネット上では警察の「突入」の是非も取りざたされている。

埼玉県警によると、17日午後4時10分ごろ「20代の女性店員が午後2時20分ごろ、客に呼ばれてブースに入った後、戻って来ない」と店から110番があった。店は居酒屋などがあるビルに入居。男は7階の鍵付きで開口部のない個室ブースから出てこない一方、交渉に当たる捜査員と会話はしているという。現場はJR大宮駅から約200メートル西の繁華街。

一夜明けた18日、テレビ各局は警察が男とやりとりできる状態にあり、説得を続けていると報じた。男からの要求は特別ないとの情報もあった。午前6時ごろには現場付近の通行規制も解除されたという。

女性店員が個室に呼ばれてからは、18日午前9時すぎで19時間が経過。犯人も人質も体力の消耗が推測される。人質の無事と早期解決を望む声が寄せられているネット上では、警察の「突入」の有無も議論に。「まだ説得中?」「個室ブースだから突入できない」「突入しないのは中の様子が把握できているから」などと意見が飛び交った。

10時間を超す立てこもりでは昨年1月、島根県出雲市の運送会社で男が女性を人質にして立てこもった事件で約18時間後の翌朝、自ら女性を解放した男が投降し、逮捕された。2012年11月、愛知県豊川市の信用金庫支店で発生した事件では県警特殊部隊が未明の突入で人質4人を保護し、発生から約13時間後に容疑者を逮捕した。

ネットカフェの個室という「密」な環境で起こった事件。利用者らからは「女性専用エリアがあって安いし便利」と使い勝手の良さを挙げるネット投稿の一方、「犯人のせいで鍵付き個室に法規制がかかるようになってしまう」と事件の影響を懸念する声も上がっていた。

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