“借りぐらし”の東京Dは快適だけど… セ最下位に逆戻りしたDeNAが抱える不安

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

五輪で使用されるハマスタは8月下旬まで使用できない

■広島 7ー4 DeNA(18日・東京ドーム)

DeNAは18日、東京ドームで行われた広島戦に4-7で敗れ、広島と入れ替わりセ・リーグ最下位に転落した。本拠地・横浜スタジアムは東京五輪の野球・ソフトボール会場となるため、8月下旬まで使用できない。この日から東京ドームで6試合、神宮で5試合、新潟で2試合の主催試合を行うが、“借りぐらし初戦”に敗れた。

試合は、先発の浜口遥大投手が1-1の同点で迎えた3回、2者連続押し出し四球を含む一挙6失点と乱れた。今季最短の2回1/3で6安打5四球7失点KO。今季5敗目(4勝)を喫した。

一方、相手先発の20歳左腕・玉村に7回10奪三振2失点の好投を許したほか、2回にプロ初打点となる同点の左前打を浴び、プロ初勝利を献上した。それでも8回、2番手・森浦を攻めて2得点。3点ビハインドの9回にも守護神・栗林に食い下がり、無死一、二塁の1発同点の場面でオースティンを迎えたが、空振り三振。続く宮崎も遊ゴロ併殺打に倒れた。

三浦大輔監督は試合後、「中盤以降はリリーフ陣がよくつないでくれたし、打線もしっかり粘れた。明日の初回につなげていくだけです」と前向きだった。

しかし、この日はドラフト2位ルーキーの牧秀悟内野手が今季2度目の欠場。三浦監督は「交流戦終了後、今週に入ってから腰に張りを訴えた。状態を見てきたが、今日決断した。まだ無理をさせる時期ではない」と説明した。

ドラフト2位牧が腰の張りで欠場、広島に敗戦

牧は打撃が下降線をたどっていた4月23日の阪神戦(甲子園)で初めて欠場したが、現在の成績は打率.294、11本塁打、宮崎と並んでチームトップの35打点。上り調子だっただけに今回の欠場はチームにとって痛い。プロのペナントレースの長丁場にどこまで対応できるかは未知数で、不安は尽きない。DeNAは全体的に選手層は薄く、故障者や体調不良の選手が出た時に替えが利かないのが“アキレス腱”と言える。選手に忍び寄る疲労の影は大敵だ。

DeNAを含め、巨人以外のセ・リーグ球団が東京ドームで主催試合を行うのは史上初だが、三浦監督は「シーズンオフのイベントで一塁側を使ったことはあるので、それほど違和感はない」と言う。ちなみに、東京ドームは都市対抗や全日本大学野球選手権、その他様々なイベントに使用されるため、一塁側には普段巨人の選手が使用するロッカー、原辰徳監督の監督室とは別に、ロッカーと部屋が存在する。DeNAナインはそこを使っている。

ナイターの場合、ホームチームの全体練習は午後2時頃から始まり、早出練習に取り組む選手たちはもっと早くグラウンドに姿を見せる。夏場の横浜スタジアムは日差しが強い上、人工芝の照り返しもあって、暑さが半端ではない。DeNAの球団買収後は見られなくなったが、横浜時代には、観客の入場前とあって、上半身裸、短パン姿でティー打撃に取り組む選手の姿も見られたほどである。

その点、空調の効いた東京ドームは快適。好条件を味方につけ、ハマスタを使えない期間が“死のロード”と呼ばれないうちに、白星を重ねたいところだ。

開幕直後、2引き分けを挟んで10連敗を喫するなど黒星がかさみ、最下位を“独走”したDeNAだが、交流戦では一転、球団最高タイの3位となり急上昇した。セ・リーグ同士の戦いが再開された途端、元の黒星街道へ逆戻りとならなければいいが……。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

© 株式会社Creative2