〈動画あり〉新潟海保と佐渡汽船 Jフォイルで合同訓練 直江津―小木航路で初

 新潟海上保安部と佐渡汽船によるジェットフォイルの合同救難訓練が17日、直江津港北方沖合海域で行われた。近年の海洋生物との衝突事故などを踏まえ、直江津―小木航路で初めて行われた。上越海上保安署などから計50人が参加、救助方法や手順を確認した。

 佐渡汽船・新潟―両津航路では平成31年3月、佐渡姫埼沖で航行中のジェットフォイル「ぎんが」が海洋生物とみられる物体と衝突し、乗客ら85人が負傷。昨年2月、同じ沖合で同「つばさ」の海水取り入れ口に海洋生物の肉片が詰まり、航行不能となった。

 このため4月にジェットフォイルが就航した直江津―小木航路で初めての合同訓練を企画。「ぎんが」の他、上越海上保安署の巡視艇、第9管区海上保安本部新潟航空基地のヘリコプターが参加した。

 訓練は、直江津港の沖合約10キロの海域でジェットフォイルが海洋生物とみられる物体と衝突、乗客45人が負傷し、このうち1人が意識混濁の状態と想定。ヘリコプターで負傷者のつり上げ救助を行い、巡視艇で船艇をえい航した。

「ぎんが」から負傷者に見立てたダミー人形をつり上げ救助するヘリコプターらいちょう(新潟海上保安部提供)

 上越海上保安署の青木弘市署長は「ジェットフォイルに限らず、旅客船事故は多数の被害が出る。関係機関と連携して効果的に訓練ができたので、今後も訓練を重ねて万全を期していきたい」と話した。

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