開幕まで残り1か月あまりとなった東京五輪を巡り、経済の専門家からも開催強行を疑問視する声が上がっている。
これまで3度緊急事態宣言が発令されたが、依然として終息の気配は見られない。
そんな中、元日本銀行政策委員会審議委員でエコノミストの木内登英氏(58)は、イラン紙「アルジャジーラ」のインタビューで「五輪はコロナの感染をさらに拡大させるきっかけとなる可能性がある」と危機感を口にした。
経済へのダメージについても言及。木内氏によると、3度の緊急事態宣言によって、それぞれ約6・4兆円、約6・3兆円、約3・2兆円の損失が発生。五輪の強行開催で感染第5波がやって来た場合「今年の最後の3か月で経済が再び縮小する可能性がある」と警鐘を鳴らした。
これらの発言を受け、同紙も「日本国内のファンが会場にどれだけ入るかに応じて、大会が生み出す可能性のある収益額(約1兆6000億円~約1兆8000億円)と比較すると、大会を進めるための潜在的な経済的コストは、潜在的な利益を小さくする」とコスパの悪さを指摘。ただ、日本側から国際オリンピック委員会(IOC)に中止を求めると、多額の賠償金を支払う必要があるとも分析している。
つまり、どんな選択を下してもリスクは高いということ。行くも地獄、戻るも地獄といったところか。