川崎大師の次なる銘菓は 久寿餅の老舗「住吉」、新商品に住民らの知恵

ワークショップの前に自己紹介する森社長(左から2人目)

 川崎大師平間寺(川崎市川崎区)の山門前で「久寿餅(くずもち)」を販売する老舗和菓子店「住吉」の新商品を開発しようと、地元の任意団体「大師ONE博(わんぱく)」がプロジェクトを立ち上げた。コロナ禍で参拝客が減り商店街が打撃を受ける中、地域住民の知恵と工夫を結集して「次の銘菓」を創り出す。

 大師ONE博は、さまざまな職業の住民が集まる団体で大師エリアを中心に活動する。共同代表の杉谷昌彦さん(37)がコロナ禍の影響を受ける住吉の森明弘社長(53)に「何か地域に貢献できることはないか」と打診し、プロジェクトを思い付いたという。

 森社長によると、平間寺周辺は、商店街の店舗が廃業しマンションが増えるなど、街の様子が変化してきている。核家族化に伴い、久寿餅を知らない子どもも増えており、「苦境にこそ挑戦を」と一念発起した。

 プロジェクトは一般企業の会社員や専門家を招いて実施。それぞれが持つ技術や経験を生かしてもらう考えだ。参加者にとっては「創業100年を超える老舗の商品開発に携わることができる」(杉谷さん)ことも魅力で、住吉側には商品開発への投資を最小限に抑えられるメリットがあるという。

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