自動運転実証事業推進へ 対馬市とシダックス 連携協定を締結

地域課題解決に向けた連携協定を結んだシダックスの志太会長(左)と比田勝市長=対馬市役所

 国連の持続可能な開発目標(SDGs)を推進する対馬市は16日、外食大手で車両運行サービス事業も手掛けるシダックス(東京)と地域課題解決に向けた連携協定を締結した。自動運転の実証事業を進める市は、同社の車両運行事業や情報通信技術(ICT)の経験やノウハウを生かしたい考え。
 市は人口減少や過疎化による交通弱者対策として、公道での自律走行バスの走行実験などに取り組んでいる。協定締結に伴い、同社からICT業務の経験がある社員1人が市に出向。7月から各部署で自動運転実証や市役所のデジタル化に向けた業務のサポートに従事する。両者の間では、2017年に市が同社運営のリゾート施設に対馬固有の「対州馬」を無償貸与するなどの交流が続いている。
 締結式はオンラインで市役所と同社をつないで開かれ、比田勝尚喜市長は「双方が連携して持続可能な島づくりにつなげていきたい」とあいさつ。シダックスの志太勤一会長は「(利用者の需要に応じて走る)デマンドバス運行などで培った当社の経験やノウハウが、対馬市の発展に大きく貢献できると思う。民間企業では得られない自治体運営のノウハウを教示していただきたい」と話した。

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