南米選手権ブラジル大会で選手ら82人がコロナ感染 死者50万人超の緊急事態

宿舎からバスに乗り込むチリ代表選手にも緊張感が漂っている(ロイター)

サッカーの南米選手権(ブラジル)が危機的な状況に陥っていると、地元紙「コレイオ・ブラジリアン」など各メディアが伝えている。

深刻な新型コロナウイルス禍にあるブラジルで強行開催されている同大会では各国の代表選手やスタッフ、関係者の間で感染者が急増し、これまでに計82件もの陽性判定が確認されている。ベネズエラ代表は選手13人が感染し、チームを維持するため、新たに15人の選手を本国から招集することになった。

同紙によると、マルセロ・ケイロガ保健大臣は「南米サッカー連盟(CONMEBOL)を助けるため(ブラジルのジャイール)ボルソナロ大統領(66)によってもたらされた南米選手権はブラジルで開催するべきではなかった」と訴えたという。さらに「最大の恐怖はコロナウイルスの変異株が国に入ってきたことだ」と指摘した。

同紙は「保健省内の評価では、スポーツチームや代表団と接触した人々の間でこれらは今後数日で増加するとされた。研究所に送られた新しい亜種の遺伝子配列の結果は平均14日かかるため、流行を封じ込めるための行動計画は困難だ」と報じている。

すでにブラジル国内でコロナ関連による死者が50万人を超えるなど、危機的な状況が続いている。各地でボルソナロ大統領を糾弾するデモが行われているように、準備や対策が不十分なまま開催を受け入れたことへの反発は大きい。今大会の継続すらも危ぶまれている状態だ。

7月23日に五輪開幕を控えている日本にとってもブラジルの惨状は他人事ではないだろう。果たしてコロナの影響を抑えて無事に大会を開催できるか。

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