【宝塚記念】レイパパレ坂路で楽々51秒6 高野師「怖いくらい状態がいい」

抜群の時計、動きで満点の仕上がりを証明したレイパパレ

上半期の大一番を制するのは果たして? 第62回宝塚記念(27日=阪神芝内2200メートル)の最終追い切りが23日朝、東西トレセンでスタート。有力馬の中で派手なデモンストレーションを披露したのは最強牝馬勢の一角レイパパレだ。栗東坂路で4ハロン51・6秒の好時計を楽々とマーク。秋には海外遠征を視野に入れる4歳牝馬がさらなる進化を猛アピールした。

前走の大阪杯では昨年の牡馬クラシック3冠を無敗で制したコントレイル、安田記念&マイルCSを楽勝したグランアレグリア、皐月賞&ダービー2着のサリオスらの強豪相手に4馬身差をつけての圧勝。昨年の宝塚記念でクロノジェネシスが2着キセキにつけた6馬身差圧勝に続く衝撃的な内容だった。しかも2走前のチャレンジCではかかる面を見せて折り合い面での不安をのぞかせていたが、前走はそのあたりをしっかり修正して鞍上との呼吸はピッタリ。決して得意とは言えない重馬場であれだけのパフォーマンスを見せつけたようにその実力は本物と断言できる。

最終調整はいつものように坂路をキャンターで駆け上がった後の2本目に単走で行われた。「前走時の調整をなぞらえてやっていく」と高野調教師は大阪杯時と同じパターンでの追い切りを示唆していたが、その言葉通りに前半はゆったりとした入りで残り1ハロンからようやく鞍上からゴーサインが出た。

スタートしてから道中は余裕満点の走りだったが、それでも計時された時計は4ハロン51・6―37・9―24・9―12・3秒。前走時の4ハロン52・9―12・4秒と比較しても全体(4ハロン)で1・3秒も上回る時計をマークしたことに対し、「怖いくらい状態がいい」と高野調教師が思わず口にするほど。これこそがレイパパレの進化だ。

「順調にメニューを消化して1週前の動きも満足がいく内容だった。とにかく乗りやすくすることを主眼に置いてやってきた」とトレーナーは思い描いた通りの調整過程に手応えを感じている。

上半期の大一番は現役最強牝馬クロノジェネシスVS6戦6勝の無敗馬レイパパレの一騎打ちムード。ここで昨年の宝塚記念、有馬記念を制したライバルを完膚なきまでに叩きのめせば仏GⅠ凱旋門賞(10月3日=パリロンシャン競馬場)を強く意識できる。これまで日本勢が何頭も挑戦してその高い壁にはね返されてきた世界最高峰の戦い。海外でも通用する力、さらなる進化をグランプリで証明し、その大舞台へといざ向かう――。

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