新幹線長崎ルート 与党説明 面談5分 「上から決め付け」に佐賀知事不快感

山本委員長(右奥)に佐賀県の考えを伝える山口知事=佐賀県庁

 九州新幹線長崎ルートの与党検討委員会(山本幸三委員長)が取りまとめた佐賀県内の並行在来線の在り方や財政負担軽減策などについて、山本委員長は22日、同県の山口祥義知事と県庁で面談し説明した。山口知事は「上から決め付けるのはやめてほしい」と不快感を示した。面談は約5分で終了した。
 与党検討委は今月、佐賀県内の未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)をフル規格で整備した場合、並行在来線はJR九州からの経営分離を前提とせず同社が「運行を維持することが不可欠」などとする方向性を取りまとめ、上部組織の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)に報告した。
 山本委員長から説明を受けた山口知事は「佐賀県はフル(規格)に手を挙げていない」とけん制。フル規格など五つの整備方式について国土交通省と議論している「幅広い協議」を「見守ってほしい」と求めた。
 面談後、山口知事は「我々の地域のことだから我々の合意が大事。新幹線は国が(決めて)上からもってくるものではない」と批判した。
 山本委員長は県議会の藤木卓一郎議長とも非公開で面談。終了後、記者団の取材に応じた議長によると、山本委員長は「並行在来線の問題はJR九州を説得して結果を出したい」と述べたという。議長は「県民は(新幹線の問題に)深い関心がある。県議会は知事や執行部の判断とは別に議論を深めたい」と話した。

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