神奈川・藤沢市議の質問通告、市側が事前に当該団体に漏らす 「前代未聞」答弁を拒否、実態解明求める

藤沢市役所

 藤沢市が狭隘(きょうあい)道路拡幅のための土地家屋に関する委託調査を長期間、特定団体と随意契約していることを巡り、市議が市側に質問通告したところ、市の担当者が当該団体に質問内容を事前に伝えていたことが23日、分かった。

 同日の市議会本会議の一般質問で井上裕介市議(市民クラブ藤沢)は「質問する前に内容が利害団体に漏れるのは前代未聞だ」と指摘し、市側の答弁を拒否。その上で「質問内容の漏洩」に対する市側の見解や実態解明を求めた。

 宮治正志副市長は「議会と当局との信頼関係を損なうあってはならないことと受け止めている」と陳謝。「随意契約はあくまでも一般競争入札の例外規定。長期に渡る一者随意契約が今回の事案の発生にどのようにかかわっているのか、いないのかをしっかり見極める必要がある」と述べ、市が行っている随意契約全体を再点検する必要があるとの認識を示した。

 井上市議は、委託調査で一般競争入札を導入した場合の利点や欠点、一般競争入札導入へ向けた市側の考えをただす予定だった。しかし、質問通告後、質問内容が当該団体に知らされたとの情報が関係者から寄せられたという。

© 株式会社神奈川新聞社