松田に上昇気配も… ソフトバンクはロッテ戦に1―1で引き分け

グラウンドに礼をするソフトバンク・工藤監督

ソフトバンクは23日のロッテ戦(ZOZOマリン)に1―1で引き分けた。先発・東浜が7回途中1失点。右手指のけいれんでアクシデント降板するまで粘りの投球だった。右腕の112球に報いる一発を放ったのが、亜細亜大の先輩である松田宣浩内野手(38)だった。

熱男に上昇気配が漂い始めた。0―1の3回二死、ロッテの新人左腕・鈴木の2球目148キロ真っすぐにうまく反応。チーム唯一の得点となる14試合ぶりの8号ソロに「インコースの真っすぐを完璧に捉えることができました」と自画自賛だった。

今遠征から2週間ぶりに有観客の中でプレーしている。「ファンの方々の前でプレーできることがうれしいですし、やはり応援が力になります」と感謝。声援を背にダイヤモンドを軽やかに駆け、ベンチ前ではおなじみの「熱男パフォーマンス」で返礼。勢いそのままに、8回にも安打を放って2試合連続のマルチ安打を記録した。

前夜、13試合ぶりに複数安打をマーク。走塁でも的確な打球判断と積極性で2度のタッチアップを決めた。思うような打撃の感覚がつかめず、開幕からモヤモヤの晴れない日々が続いた。今、通算295本塁打、同1785安打を誇る「ミスターホークス」の打順は9番が定位置だ。19日の日本ハム戦(ペイペイ)はベンチスタートで、9回の守備から途中出場。それでもいつもと変わらぬ「元気印スタイル」で声を張り上げ守備に就いた。

昨季の大不振を経て、捲土重来を期す今季も周囲の期待に応えるまでには至っていない。世間の辛辣な声が聞こえていないはずはない。下を向きそうになる時も「もっと打ちたい。まだまだうまくなりたい。自分を信じてやりたい」と自らを鼓舞してやってきた。プロ16年目も荒波の中をがむしゃらに進んでいる。

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