コロナ調査拒否の佐世保市議 報道で「プライバシー露呈」に疑問呈す

 長崎県佐世保市の山下廣大市議が市保健所の新型コロナウイルス感染症調査への協力を拒否した問題で、山下市議は23日の市議会一般質問で、問題が報道されたため「(関係者の)プライバシーが露呈した」と主張し、保健所の情報管理の在り方に疑問を呈した。
 山下市議は4月に約20人が出席した懇親会に出席。感染拡大防止の疫学調査を担う保健所との窓口となったが、「プライバシー」を理由に出席者名簿の提出を拒んだ。結果的に山下市議を含む出席者5人から陽性反応が出た。
 山下市議は一般質問で、協力を拒んだ対応を謝罪。その上で、陽性者は懇親会以外の場所で感染した可能性があると指摘し、「今回の報道で、会社から謝罪を要求されたり、冷遇されたり、辞表を提出したりする方もいた。調査拒否というセンセーショナルな見出しで多くの方々のプライバシーが露呈された」と述べた。
 自らも県の相談窓口に電話し、「今回の件は人権侵害に当たると判定された」と強調。県が委託する弁護士からも「保健所しか知り得ない情報が報道されること自体が情報管理として問題がある」との回答を受けたとした。
 市保健福祉部の野村成人部長は「心無い誹謗(ひぼう)中傷は遺憾で心から残念。保健所職員で(情報の)漏えいはなかった」と答弁した。

 


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