新幹線長崎ルート 与党方針説明 長崎・中村知事、早期整備求める

中村知事(右)に与党方針を説明した山本委員長(左)=県庁

 九州新幹線長崎ルートの与党検討委員会が取りまとめた佐賀県内の並行在来線の在り方などについて、山本幸三委員長は23日、県庁で中村法道知事と面談し、与党方針を説明した。中村知事は佐賀県への財政負担軽減策などを「大変ありがたい」と受け止め、フル規格による早期整備を求めた。
 面談は約30分で冒頭を除き非公開。山本委員長は冒頭、佐賀県内の未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)をフル規格で整備した場合、並行在来線は「JR九州に責任を持ってやってもらわなければいけない。(同日午後に同社を訪問し)話を詰めていきたい」と強調。中村知事は「全国の新幹線ネットワークにつながって初めて効果が最大限に発揮できる。新鳥栖-武雄温泉間も含め、一刻も早い整備を願っている」と述べた。
 山本委員長は前日22日、佐賀県庁で山口祥義知事と会い、与党方針を説明。山口知事は「上から決め付けるのはやめてほしい」と不快感を示した。
 中村知事は面談後、記者団に佐賀県への対応を問われ、「(今は)対話の機会がいただけない状況」とした上で、与党検討委や佐賀県と国土交通省によるフル規格を前提としない「幅広い協議」に触れ、「いろいろな協議の枠組みで議論を前向きに進めていくことが必要。県としても佐賀県との協議の場を模索したい」と語った。

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