都議選で話題のドラクエ論争 保守はなぜビアンカを選ぶべきなのか候補予定者に直撃

武蔵小金井駅前で演説する広瀬まき氏(22日撮影)

保守ならビアンカを選ぶ!? アラフォー世代なら子供のころに国民的ロールプレイングゲーム(RPG)「ドラクエ5」(1992年発売の「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」)をプレーした人が多いだろう。ゲーム中で印象的なのが結婚イベントだ。幼なじみのビアンカか、お金持ちのフローラかを選ぶのだが、25日に告示される東京都議選を前に、ある候補がドラクエ5について「幼なじみを裏切るのは保守の政治家として許せない」と語る動画がネットでバズっている。

その候補とは自民党から小金井市選挙区で立候補予定の広瀬まき氏(35)。表現の自由をテーマに語るインタビュー動画で、アニメやゲームの話題になったなかで注目発言が飛び出した。ドラクエ5が好きだといい、ビアンカとフローラのどちらを選ぶか聞かれて、「圧倒的にビアンカ。フローラを選ぶとイオナズンを覚えるからその方がいいって人もいるんですけど、幼なじみを裏切るっていうのは保守の政治家として許せない」と訴えたのだ。

ビアンカかフローラか…が都議選の争点になることはないものの、ドラクエファンにとっては92年に発売されて以来、現在でも論争になり続けてきた重大テーマだ。この動画がツイッターで拡散され、バズったわけだが、〝保守ならビアンカ〟なのか? 広瀬氏に聞いてみた。

「恩を大事にする、縁を大事にする。実利は大事だけど、長年脈々と続けてきたことを大切にするってことでは保守と近い。実利よりも大事にするものがあるんじゃないかなっていうのが保守の考え方だと思います」

ここで言及されている実利とは攻撃魔法のイオナズンのことだが、それよりも幼なじみとの縁を大事にしたい気持ちが保守的ということのようだ。一方で、動画を見たネットユーザーの反応には「実利を優先するのも政治家ではないか」とのツッコミもあった。

「フローラはイオナズンが使えるし、実家が太いのでお金を出してくれるそうですね。でも、ロールプレイングゲームってストーリーがあることが大事だと思っているので、フローラって言われると違和感あります。フローラは途中で突然出てきましたよね。ビアンカはゲームの最初の方から出ていて、縁がありますから」

ビアンカ愛を語る広瀬氏は銀行出身で一児の母として都政に挑戦している。「銀行員の経験を生かして地域経済の活性化を進めたい。その起爆剤に減税をやります」。自民党は都議選で減税を公約にしている。子育て政策にも経験者として取り組むという。

小金井市選挙区は定数1人で、都民ファーストの会から現職の辻野栄作氏、元小金井市議で無所属の漢人(かんど)あきこ氏が立候補予定という激戦区となっている。

保守かどうかはともかく、ビアンカとフローラのどちらを選ぶかでその人の性格が分かるかもしれない。あなたはどっちでした?

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