【藤井勘一郎コラム】“ご近所さん”の藤懸騎手に聞いた「重賞初制覇の要因」

ご近所さんの藤懸騎手(右)がうれしい重賞初制覇(17日撮影・藤井騎手提供)

皆さんこんにちは、藤井勘一郎です。

先週日曜東京のユニコーンSはサンライズウルスに騎乗して6着。初経験の芝スタートはクリアしてくれたのですが、行き脚がつかずにポジションが下がってしまいました。脚抜きのいい馬場でペースも全体的に流れていたこともあり、道中は置かれ気味でしたが、それでもあの位置から上がり最速タイの脚は使えました。現状でのこの馬のベストの走りはできたと思います。今後は一旦放牧に出て成長を促し、秋に備えるとのこと。今後も上手く成長していってくれれば能力は確かな馬です。秋以降がすごく楽しみですね。

一方で、日曜阪神のマーメイドSでは藤懸貴志ジョッキーがシャムロックヒルに騎乗して人馬とも重賞初制覇を飾りましたね。藤懸ジョッキーとはご近所さんでもあり、私の子供たちもよく遊んでもらう仲です。彼はとにかく運動神経が抜群で、スポーツ万能。バトミントンやボール遊びなど何をやっても上手にこなす、まるで体操のお兄さんのような方です。

藤懸ジョッキーともお話ししましたが、今回の重賞Vの陰にはご家族の存在が大きかったようですね。コロナ禍で家族と過ごす時間が増えたことで精神的にリラックスできて、オンとオフの切り替えがしやすくなったこと、そして何と言っても、50キロでもべストのパフォーマンスを生み出す源となった、奥様の食事面でのサポートですよね。

そもそも50キロで乗れる人自体が少ないですし、大きく減量するとレースでのパフォーマンスは当然落ちてしまいます。52~53キロを減量なしで乗れるのは藤懸騎手の大きなアドバンテージですが、それは日頃から食事面など夫婦二人三脚で体調を管理しているたまものでしょうね。

オーストラリア競馬の最高峰・メルボルンCもハンデキャップ戦で、軽量ジョッキーが大きなチャンスを得られるレースです。力強く軽ハンデ馬に乗れるのは万国共通の大きなメリットですから、これからの藤懸ジョッキーの活躍が大いに期待されますね。

〝ご近所さん〟同士、お互いに切磋琢磨して精進していきます。藤懸ジョッキーともども、これからも応援よろしくお願いいたします。

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