【今週のもう一枚】待ち時間にバッタリ 巨人・中畑と阪神・キーオが意外な握手

バッタリ顔を合わせた中畑(左)とキーオ

巨人・中畑清が阪神のマット・キーオと笑顔で握手を交わしている。1989年8月30日、甲子園球場での3連戦の2戦目が雨天中止となり、練習を終えて移動のバスを待っている時に、バッタリ顔を合わせた。中畑の態度がなんだか偉そうに見えるのが面白い。

8月終了時、巨人は2位・広島に8ゲーム差をつけて首位を独走。10月5日に2年ぶりのリーグ優勝を果たす。この年、中畑は開幕早々、試合中に右手薬指を負傷して長期離脱。その間に一塁に駒田徳広、三塁には岡崎郁と若手が台頭し、シーズン終盤に引退を表明した。8月末のこの時期、すでに腹を決めていたのかもしれない。

一方、キーオが阪神でプレーしたのは87年から90年まで。その間、チームは最下位3度、5位1度と、まさに暗黒時代に入っていた。それでも11勝、12勝、15勝、7勝と孤軍奮闘。負けてばかりのチームにあって、少しだけ光を見せてくれたとあって阪神ファンには忘れられない存在だった。

昨年5月、肺塞栓症のため死去。まだ64歳だった。(敬称略)

© 株式会社東京スポーツ新聞社