大谷イリュージョンだ! スタジアム騒然の25号&〝空中ホップ〟二塁打!

25号ソロ本塁打を放った大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

エンゼルスの大谷翔平投手(26)は27日(日本時間28日)に敵地セントピーターズバーグでのレイズ戦に「2番・DH」で先発出場し、9回にメジャートップのブルージェイズ・ゲレロに1本差と迫る25号を左翼席に放った。6回に一時勝ち越しとなる空中でホップする右越え適時二塁打、7回に同点の右翼線三塁打を放ち、4打数3安打3打点、1盗塁。チームは6―4で勝ち連敗を5で止めた。また、この日発表されたオールスター戦ファン投票の1次投票でア・リーグDH部門でトップ通過。大谷の勢いは止まらない。

敵地トロピカーナ・フィールドが3度、騒然としたのは5―4の9回二死無走者だった。マウンドは5番手の右腕フェアバンクス。カウント2―1から94・3マイル(約152キロ)の内角の直球をこすり上げるように角度38度で左中間へ高々と打ち上げた。観客の悲鳴と歓声を切り裂きそのまま左中間席に着弾した。

大谷は一塁ベースを回ったところで、三塁の味方ベンチに向けて左手人さし指を立てた。打球速度108マイル(約174キロ)、飛距離384フィート(約117メートル)の衝撃の25号ソロ。メジャートップのゲレロに1本差と迫った。月間10本塁打は自己最多。3安打は今季3度目だが、長打3本は初だ。

「SHO TIME」の幕が上がったのは1―1の6回無死一塁。相手先発の左腕ヤーブローの初球、内角に食い込んでくるシンカーを腕を畳んでフルスイング。折れたバットから叩き出した104マイル(約167キロ)の弾丸ライナーは右翼手マーゴーの頭上を越えてワンバウンドでフェンスに到達した。空中でホップしたかのような驚異の伸びに差し出したグラブは全く間に合わなかった。一塁からフレッチャーが生還。勝ち越しの適時二塁打となった。

3―4の7回二死二塁では3番手の左腕スプリングスと対戦。初球ファウルからの2球目、内角のスライダーを巻き込むように振り抜くと89マイル(約143キロ)で打ち出された打球は切れずに右翼ラインの数センチ左ではずんだ。ボールが右翼フェンス沿いを転がる間に余裕で三塁に達した。価値ある同点三塁打。マルチ安打は今季21度目だ。

4回先頭はカウント2―2からファウル3球粘って四球で出塁。次打者レンドンの初球に二盗に成功した。今季11個目だ。5番ゴスリンの二塁内野安打の間に先制のホームを踏んだ。1回無死一塁は空振り三振だった。

米大リーグ機構(MLB)がこの日、発表したオールスター戦(7月13日=日本時間14日・デンバー)のファン投票の1次投票でア・リーグのDH部門196万1511票でトップ通過を果たした。2位のレッドソックスのマルティネスは75万5663票で約121万票の大差をつけた。3位はアストロズのアルバレスで69万1218票だった。最終投票は28日(同29日)から行われ、7月1日(同2日)に発表される。1次投票の結果は持ち越されないが、選出されるのは確実だろう。

ア・リーグの指揮を執るレイズのキャッシュ監督は大谷の二刀流起用について「メンバーが決まってマドン監督や球団の考え、本人の希望を聞いてから」と話しており、史上初の二刀流で出場する可能性は高そうだ。

その大谷の次回登板は30日(同7月1日)敵地でのヤンキース戦。ヤンキー・スタジアムのマウンドに上がるのも、ヤンキース打線相手に投げるのも初。ニューヨークのファンのブーイングをはね返してくれるだろう。楽しみだ。

☆大谷コメント「いいところで打てた。四球もしっかり取れた。点に絡むことができて良かった。(本塁打は)一試合一試合、打ちたいなと思っている。複数本出る試合も、連続で出る試合もあって、いい打席は多い」

© 株式会社東京スポーツ新聞社